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オイルクーラーブラケット作成

2014.11.01

フロントカバーを交換してスピンオン式のオイルフィルターを使うようになってから油温が10度くらい下がったような気がします。

このままオイルクーラー無くてもいけるんじゃないかと考え初めているのですが、そこは初志貫徹ということで作業を進めることにしました。

まずは、オイルクーラー本体をダウンチューブに取り付けるべくブラケットの製作からです。
なにぶんクリアランスに余裕がありませんから強度を確保しつつコンパクトに作る必要性があります。


↑↓ とりあえず現物合わせでフラットバーを曲げたり溶接したり・・・

んで、こんな感じになりました。

オイルクーラー本体はゴムブッシュでフローティングさせ振動対策も施してあります。
後はオイルの取り出し口と配管をどうするかですね。
市販のオイルブロックは大きすぎるので自作するしかないかも。

・・・とりあえずオイルクーラーの装着は一時保留して、大容量オイルポンプの効果を確かめてみるとしますかね。

自作ピックアップロータ-取り付け

2014.09.28

とりあえずA5052で削り出してみたものの、ホールセンサーに反応しないのではないかという疑念がぬぐえません。
センサーの仕様を調べて確証を得ることにしました。

ホールセンサーに刻印された型番からHoneyWell社の1AVシリーズであることが判りました、Webで部品のデータシートを検索します。
結果、危惧していた通りの仕様でした・・・。
以下データシートから抜粋。
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The vane is a low carbon cold rolled steel,
type AISI, 1018 or lower in carbon content.
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低炭素冷間圧延鋼板でAISI規格1018(JISだとS17Cが近いか?)以下の炭素含有率を推奨しているようです。
やはり磁性体でないとダメか・・・。

結局作り直しが必要ですね、プレス加工された鋼板なら低炭素の軟鋼でしょうからセンサーの要求する条件を満たしそうです。
身の回りをあさったところ、良さそうな素材を発見しました。

↑ 2.5インチハードディスクの3.5インチ変換マウンターです。
以前HDDをSSDに換装した際、SSDの付属品に含まれていた物ですが捨てずに良かったです。
メッキがしてありサビにも幾分強そうですし、素材としてぴったりでしょう。

んで、さっくりミーリング。

↑ 上手に切れました~!
実際にはアルミより切削条件が厳しいので40分ぐらい掛かってます・・・。

さっそくウラルの純正ピックアップローターと交換します。
いや、このセンサーの場合インタラプトローターといった方が正確かも。

↑ みごとぴったり収まりました。

これでローターを固定するボルトを雑に締緩してもタイミングがズレる心配はありません。
単純にホールセンサのベースプレートだけ調整すれば良くなり点火時期の調整が非常に楽になりました。
実際セルを回すとセンサーはしっかり反応し、エンジンの始動にも問題ありません。

本来メーカーがこういう仕様で作るべきだと思うのですけどね。

ピックアップローターの製作

2014.09.24

実測したデータを元にCADで設計したピックアップロータを製作してみました。
虎の子のCNCを使って削り出す事にします。

まずはCADのデータを元にCAMで切削パスを作成。

卓上フライス盤にパソコンを接続して切削パスを読み込ませます。
んで、おもむろにプログラムスタート!

20分ほどでミーリングが完了しました。
そこそこうまく削れたかな?

↑ ワークをフライスに固定しやすくするため、数カ所母材と接続した部分を残しています。

母材から切り離してバリを取ったら完成です。

ところで何も考えずにアルミ合金(A5052)で作ったけど、非磁性の金属にもセンサーは反応するのだろうか?

誘導型の近接センサなら大丈夫だと思うけど、なにぶんウラルなので(点火機構はDUCATI製だけど)予想の斜め上を行きそうな気がしています。
このピックアップロータが磁力線を遮断するための物だとすると、非磁性の金属だと反応しない可能性が高いです。

磁性のある金属で作り直さないとダメかも。

フロントカバー組み付け

2014.09.13

三連休突入!先日入手したフロントカバー(Front Cover Conversion Kit for up to 2013 )を組み付ける絶好の機会です。

以下、作業手順の覚え書きです。
なお、お約束ですがこの記事を元にトラブル等発生してもすべて自己責任でお願いします。
エンジンおよび電装の改造はメーカーの保証も無くなりますのでご注意ください。

交換するエンジン前縁の部分。

まずはデストリビューター(この表現が適切かわからん)のカバーを外します。

2本のボルトで留まっているだけです。


ホールセンサーを外します。

ホールセンサーは点火タイミングを決める重要な部品です。
位置がずれるとエンジンに重大な損傷を与える可能性があるので取り外し前に位置をマーキングしておきます。
ホールセンサ自体はシールカラーの固定を兼ねた2本の+ネジで留まっています。


ローターを外します。

ローターはカムシャフトに位置決めされておらず、ネジを緩めるとフリーになりますので注意が必要です。
カムシャフトとの位置関係をずらさないようにローターを押さえているカラーを外し、ローターとシャフトにマーキングしておきます。
カムシャフトの面取りに合わせることぐらい出来ただろうと設計者に激しく問いたい...


シールカラーとガスケットを外します。

残りの+ネジ2本で留まっているだけです。


フロントカバーに組み付けられたパーツをすべて外しました。


いよいよフロントカバーを外します。

プライポイントが無いので厄介ですが、10本のボルトを抜いた後、ゴムハンマーを使ってフロントカバー全体に打撃を与えるとそのうち浮いてきます。


外したフロントカバーとブリーザー


ここまで来れば折り返し地点!
逆の手順で新しいフロントカバーを組み付けていきます。


古いガスケットを除去します。

オイル漏れや滲みを起こす原因になるので接合面はきれいにして脱脂しておきます。


ガスケットの組み付け。

エンジンケースの接合面に極薄く液体ガスケットを塗布してペーパーガスケットを定着させます。


ブリーザーのノックピン位置を確認。

フロントカバーを組み付ける前に、ブリーザーの切り欠きとカムシャフトギアのノックピン位置を合わせておきます。
ブリーザーとフロントカバーの接触面にはエンジンオイルで溶いたモリブデングリースを塗布しました。


フロントカバーの組み付け

10本のボルトで仮止めした後、対角線状にボルトを本締めします。
間違えることはないと思いますが、一本だけボルトの長さが違うので注意です。
エンジンにはあまり使われない皿キャップなのであまり強く締めない方が良いと思われます。


ペーパーガスケット、シールカラーを取り付け。

シールカラーのオイルシールはあらかじめ新品に交換しておきます。


ローターの取り付け。

取り外しの際に付けたマーキングに合わせてローターを取り付けます。


ホールセンサーの取り付け。

取り外しの際に付けたマーキングに合わせてホールセンサーを取り付けます。


デスビカバー、オイルフィルターの取り付け

デスビカバーは3本のキャップボルトとバネ座金で固定します。
ホールセンサのケーブルを挟まないようにカバーの切り欠きを通すように気をつけます。
オイルフィルターは付属のWIX製では無く、手持ちの大型の物を取り付けてみました。
愛車パジェロと同じフィルターです。


完成!

エンジン前縁がずいぶんスッキリしました。
50回くらいキックスターターを作動させてエンジンオイルを送り込んでからエンジンを始動します。
しばらくアイドリングで様子を見てオイル漏れがないか確認。

点火タイミングがずれている可能性があるため、タイミングライトで確認し、必要があれば調整します。


スピンオンフィルターの取り付け目的は、保守性の向上も一つの理由ですが、最終的にはオイルブロックを取り付けオイルクーラーを取り付けたいと思っています。

でも、もう寒くなる季節なんだよなぁ。

PS キットに含まれる5mmのスプリングワッシャは何処に使うんだろ?余っちゃったw

もうひとつのアイテム

2014.09.11

フロントカバーと同時にHigh Output CnC Oil Pumpなるものを注文しました。

オイルポンプを強化するもので、純正の2倍以上の出力があるらしい。
写っている本体以外にオイルパンとオイルポンプのガスケットが付属しているのがありがたいですね。
作業する上で必ず必要になる消耗部品ですから。


開けてみるとインボリュートギアを使った外接式のオイルポンプでした。
今時のオイルポンプの多くは内接トロコイド式なので新鮮です。

確かにオイルポンプのギアは相当大きなものになっています。

単純に2倍以上の高さがあるギアが使われているようです。

本来オイルポンプは設計の段階でエンジンの特製にあわせた容量のものが付けられるのであって、安易に容量を増やせば性能が上がるとか、安心であるといったものではありません。
場合によってはオイル漏れを起こしたり、潤滑のバランスが崩れる原因になる可能性もありますからね。

特にウラルの場合、大部分が飛沫潤滑に頼っているようなので効果の程は未知数です。

部品到着!

2014.09.11

仕事から帰宅すると、オレゴンの某ショップから小包が届いていました。

かねてから注文していたパーツが到着した様子です。
エンジンのパーツをUSPSで送ると関税が掛けられる確率が高いので参ります。
郵送自体も遅いし・・・。
経験上、少々送料が高くてもEMSやUPSを使った方が安心ですね。

鼻息を荒くしながらパッケージオープン!

おそらく日本初入荷であろう「フロントカバーコンバージョンキット」なのでした。
このキットはエンジンのフロントカバーを変更して、スピンオンカートリッジ式のオイルフィルターを取り付けられるようにするものです。
2014年式のDFIウラルにも採用されている方式ですが、エンジン自体の性能を上げるものでは無く、オイルフィルター交換の手軽さを重視した機能パーツになっています。
スピンオン式のオイルフィルターなら、そこらのホームセンターでも入手することができますからね!
私がスピンオン式にする理由は他に計画があり、また別の機会に紹介できるかと。

フロントカバーをまじまじと観察・・・。

見た感じの加工精度は良くバリなどもほとんどありません。
海外のURALファンサイトでプロトタイプの写真を見たことがありますが、それよりもさらに改良されているみたいです。


カバー底面には謎な盲栓が存在しています、海外のファンサイトでは、さらなるアップグレードパーツが出るのではないかと噂されています。(実際にはただの加工穴だったようですw)


↑ デストリビューターカバー
アルミダイキャスト製でウラルのロゴマークが刻まれています、かっこイイ!


オイルフィルターは最近主流のコンパクトタイプです。
海外では有名なWIXの51358が付属していました、ロットによって違う場合もあるようです。
フロントカバーのフィルター座面はかなり大きめに作られていますので、ガスケット径70mmぐらいのフィルターも余裕で付けられそうです。
座面の腐食を考えると、ガスケット径が大きめのフィルターを付けておいた方が良いような気もしますね。
M20xP1.5のネジ径で流量30 L/m程度、バイパスバルブの作動圧が8~12 psi付近のオイルフィルターを選べばまず問題ないと考えられます。

このほかにもガスケットやオイルシール、ネジ一式がキットに含まれていますが説明書の類いは一切ありません。
果たしてうまく取り付けられるのでしょうか?

ヘッドライトポジション球のLED化

2014.06.30

ヘッドライトを除いたすべての灯火をLED化したと喜んでいましたが、1灯だけ忘れているところがありました。
ヘッドライト内のポジション球です。
H4バルブに無理やり抱きつかせたようなポジション球は4wの白熱球。

これを約0.2wのLED球に交換します。

左:純正 4w 右:白色LED 0.2w
数値的には1/20という圧倒的な低消費電力ですが、元が4wとたいしたことないので自己満足の領域です。

若干暗いし・・・。

ん~ あと交換出来そうなのはメーター内の照明でしょうか?

油温計装着

2014.06.29

夏が近づき油温が気になる今日この頃。

以前、BMW乗りが信号待ちで都度エンジンを切っているのを見て「エコ精神旺盛だなぁ~」とか思っていたのですが、ウラルに乗り初めてからアレはエンジンの加熱を防ぐために行っていたのだなぁと今更理解しました。

足下が低温やけどしそうなほど熱気ムンムンな空冷エンジンですから油温管理には気をつけたいところです。

油温計にも色々ありますが、ウラルのレトロ感を損なう恐れがあるのでなるべくならデジタルメーターは付けたくありません。

そこでオイルフィラーに差し込む方式の油温計を取り付けられないか検討しました。

まずはフィラーキャップを計測します。

↑ ノギス上23mmと計測されましたが、公差が激しいだけで実際には24mmが正解なようです。

そしてネジピッチ

↑ ピッチは1.5で間違いなし。

ウラルのフィラーキャップ(ディップゲージ)の規格は M24 x P1.5 x 235 と判明しました。
しかし、日本国内にこんな規格のオイルフィラーキャップをもつ車両はありませんし、売ってもいません。

なかば諦めかけていたところ、ドイツのRRというメーカーの温度計に適合する製品があることを突き止めました、インターネットって便利だなぁ。

さっそく個人輸入で取り寄せ5日程度で到着、勤勉なドイツ人にダンケシェン!


↑ う~ん機能美、ドイツの技術は世界一ィィィ! です。
RRの油温計はゲージを保護するオイルに浸されているのが特徴的なのですが、計測部が200mmを超える製品には入っていない様子です。(マニュアルに記載があります)

純正のディップゲージと比較。

まさにウラルのための製品みたいですね!
というか多分ウラル専用品です、あまりにもニッチな製品なので日本じゃ売られないわけだ。

ディップゲージとしても使えるように、パイプカッターを使って計測部に印をつけました。

さっそく装着してみます。
純正の板バネを使ったゲージと違って、計測部が曲がらないため少々差し込むのに難儀しますが、コツを掴めば大丈夫です。

なかなか格好いいじゃありませんか! しかも実用的。

装着後近所を5kmほど流してみましたが、油温計は86℃ぐらいを指していました。

満足満足!

箱のステーを改良?

2014.05.31

箱を取り付けミリチックなイメージがより増しました。
ところで、この箱の実用性はいかほどでしょうか?
鋼板製の箱はとても重く、1mm程度しか無い船のパネルに加重を掛けるのは良くない気もします。
ジェリカンにガスを入れた状態だと15kgほどの重量になりますから心配です。

と、いうことでより強固な固定方式になるよう検討します。

↑ まずは家に転がっていた3mm厚のフラットバーを切断。

グラインダーで整形と開先加工を行ってから部品を組み合わせて溶接しました。

ねじ穴を開けてから塗装します。

車体に傷が付かないように1mm厚のゴムシートを貼ってから装着!

うん。改良前よりだいぶ剛性が向上しました。

ちなみに改良前はこんな感じです。

↑ 大型の丸ワッシャで固定していただけでした・・・

実は昔の資料を参考にしてマネしただけなんですけどねw

箱の装着

2014.05.24

塗装済みの箱を早速船に取り付けます。
ほぼ新車の船に穴を開けるのはちょっと躊躇してしまいますが、乗り潰すまで付き合うつもりなので気にせずドリルを突き立てます。

まずは失敗しても目立ち難い左側から。

養生テープで塗装面を保護して、ホルダーを何処に付けるべきか探ります。
後にこの養生テープが大変な事態を引き起こす事になるとは・・・

ギアアップには船の前縁にバンパーが着いており、これを避けるためにホルダーを若干浮かせなくてはなりません。
しかも船の側面は平面ではなく、緩やかな曲線になっていますから、スペーサーカラーもテーパー加工する必要があります。
現物合わせで6個のカラーを作成しました。

↑ とりあえずこんな感じで片側の取り付け完了!
↓ ハンドルを船側いっぱいに切っても当たらない絶妙な取り付け位置です。

反対側も対称になるように取り付けます。

マスキングテープで取り付け位置をバミってから同じようにホルダーを取り付けました。
ウラルの船のパネルは1mm厚の鋼板です。
ポンチを打つとパネル全体が凹む可能性があるのでケガキ針でマーキングしてから1mm程度の極細いドリルで下穴を開け、その後3mmのドリルで穴を拡張。
ステップドリルで一気に目的のサイズに広げました。

そして完成!

↑ 箱装着バージョン
↓ ジェリカン装着バージョン

TPOに合わせて付け替えできる素敵な仕様になりました。

箱が着いて一気に野暮ったくなりましたね。
いっそのこと銃架でも取り付けるかなぁ?






ところで養生テープで起きた大変な事態とは・・・

なんと養生テープを剥がした際、ペリッと塗膜も剥がれちゃったのでした。
養生テープ程度の粘着力で剥がれる塗膜とか、ロシアクオリティの片鱗を垣間見た気がします。
その後のバミはより粘着力の弱いマスキングテープに切り替えて作業しました。

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