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雪道走行考察

2017.01.17

今期最大の寒波が訪れ、東北から関西に掛けて大雪に見舞われた所もあるようです。
積雪するとウラルの二駆性能を試したくなり、雪道に乗り出したくなるのは「ウラルあるある」の一つに数えられるのではないでしょうか?
実際、Twitterで今回の積雪をエンジョイする猛者のつぶやきを幾つか目にしていますし、海外のYoutube動画でもドリフトさせながら楽しそうに遊んでいるウラル乗りを見ることが出来るので「ウラル=雪道」の図式は成り立っているのでしょう。
かく言う自分も2014年2月の大雪では勇んで雪道に乗り出しました!

ところがウラルを駐輪している車庫から一歩出るといきなり9.3%の坂道です。
下り坂はまぁ良いとして、勾配が10%近くの上り坂では5cmほどの新雪でもタイヤが滑ってほとんど前に進みません。
出発したのは良いものの下りた坂を登ることが出来ず、緩い坂道を辿って遠回りしてなんとか帰宅したのでした。

港町ヨコハマといえば聞こえは良いですが、本当は丘と坂の町だという事実を思い知るハメに...。

↑ 帰宅したときの姿、スポークに雪が詰まってディッシュホイールみたい。
思っていたよりも走れずにちょっとガッカリしたものです。

道路構造令によると都市部の生活道路は最大12%の勾配が許容されています。
実際にはこれ以上の勾配もザラにあり、山がちな日本で雪道を楽しむのはそもそも難しい事なのですね。

住んでいる地域によって事情は異なるでしょうが、地理的に悪条件なのはどうしようもないので、車輌側で走破性を向上する方法がないか調べてみました。

・タイヤ
最近のウラルにはDURO HF308が採用されています。
外径:約696mm 幅:約106mm

ロードよりのパターンですが、よく見るとサイプが刻まれておりスタッドレスタイヤのようにも見えます。
しかし実際にはスタッドレス的な特徴はまったく持っておらず、至って普通なロードタイヤです。
雪の坂道や凍結路での食いつきに優れているわけではありません。


2012年頃までの車輌にはУралшина С-93(ウラルシナ S-93)が装着されています。
外径:約690mm 幅:約104mm

キリル文字の刻印通りロシアで戦車の転輪なども作っている会社の製品です。
国内で入手しようとすると値段的な優位性も見いだせないため、交換のタイミングでHF-308にしてしまう人が多い様子。
ウラル仲間の受け売りですが、レトロなトレッドパターンでゴムは硬め、オン性能はいまひとつみたいです。
とはいえ、Youtube動画ではこのタイヤで元気に雪道を走り回ってますから侮れません。


海外のファンサイトを見ると雪道を楽しむ人は次のタイヤを使っている様子です。


KENDA K335 ズバリIce tireとされています。
外径:約696mm 幅:約114mm

大きなブロックパターンはミリタリールックなウラルに良く似合いそうです。
しかしながらカタログ落ちしたのかKENDAの製品ラインナップには載っていません、入手性が極めて悪そうです。
海外のウラルブログのインプレッションでは3000kmぐらいでタイヤライフが尽きるらしい。
回転方向に指示があるためローテーション出来ないのもマイナス点ですね。


HEIDENAU K37 ドイツ製です。
メーカーの製品紹介ページでは「クラシックミリタリーバイクやウラルに最も適したブロックタイヤ」とウラルを名指ししています。
外径:約697mm 幅:約108mm

K335やHF307に比べると少し値段が高い。


DUROのブロックパターンタイヤ HF307
外径:約699mm 幅:約98mm

海外のウラルブログのインプレッションでは最も値段は安いが性能もそれなりらしい。


С-93→K335→HF308→K37→HF307と毎冬試した海外ウラルオーナーのブログでは「次に付けるのはK37だろう」と結論されていました。
K335は減るのが早く、HF307は値段なりの性能との評価。


若干サイズが変わってしまいますが国産タイヤでは
DUNLOP TRIALS UNIVERSAL 3.25-19を使用している日本のユーザが雪道アタックをしています。

オン性能はウラルシナ以上、耐久性は劣るみたい。
トレール向けのブロックパターンはウラルに良く合います。


・タイヤチェーン
雪道走行は極稀なケースで9割9分が舗装道路なわけですから、オフよりのブロックタイヤをチョイスしてオンロード性能が下がってしまうようでは本末転倒です。
必要に応じてタイヤチェーンを巻くのが最も効率的な気がします。

↓ old timer garageで売られているスノーチェーン

ところが本車後輪はドライブシャフトとのクリアランスが狭くチェーンを取りつけるのが難しいのです。

↑ チェーンの干渉部分を示すyoutube動画
絶対に取りつけられないということではなく、中には工夫して装着している人もいるようです。

究極的には適当に切ったチェーンをインシュロックで固定するだけでも良さそう。

調べている時が楽しく色々試してみたくなりますが、考えている内に冬が終わっちゃうんですよね、毎年。