2022.05.03
早速サイドカースイングアームピボットのベアリング化を試してみます。
まずはスイングアームを外します、ドライブシャフトを何度も引き抜くとベアリングに負担が掛かりそうなので今回は付けたまま作業します、そのかわり取り回しが悪くなるため外装に傷を付けないようにフェンダーをウェスでしっかり養生しました。
問題のカラーとサイレントブロックを外します。
M8の寸切りボルトと塩ビ管などを適当に組み合わせ簡易的な引き抜き工具を作り外しました。
外したカラー ↓
見事に曲がっていますね...
素材が軟鋼っぽく自ずと焼き処理もされていません、肉厚も薄く明らかに強度不足です。
↑ サイレントブロックもバリがひどくソ連味を感じるクオリティ
後は3D CADで設計したとおりに改良(?)部品に置き換えるだけです。
純正より2mm肉厚の炭素鋼製カラー、ニードルローラーベアリング、ポリウレタンゴム製サイレントブロックを組み合わせ、高張力ボルトで締め上げます。
↑ 内部的にはこんな感じ。
しかし鋼管の内径が座繰り構造で内部が狭くなっており用意した強化カラーが通せない事態を懸念しておりました。
フタを開けてみると実際座繰り構造...
しかし内径には余裕があり強化カラーを無事通すことが出来ました、ほっと一安心。
↑ 完成しても極めて地味です、元の状態と何が違うのか判りません
スラスト方向の固定をサイレントブロックで担い、荷重の大半をベアリングで受ける想定のハイブリッド構造にしてみましたが、現状信頼性が担保できていないため使用した部品の詳細は伏せておきます、結果が出るのは数年後か?
少し気になるのはウレタンゴムが加水分解で崩壊する可能性があることですw
外したカラーを観察 ↓
固定ボルトの端部から5°ほど曲がっています、両端もラッパ状に広がってますね。
普段空荷かつ特にアドベンチャーな走りもしない車両でコレですからほとんどの車両でこの現象は起きているのではないかと推測します。
サイドカースインアームピボットのサイレントブロックは定期的に点検した方が良さそうですね。