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俺様が考えた最強のクラッチレリーズ計画

2025.07.02

先日分解したクラッチレリーズ機構。
Oリングの潰し率が高く挿入しずらいためイライラするのは自分だけでは無いはず...。

2013年式のウラルではOリングを1つの溝に2つ使ったダブルリング仕様になっていますが、装着時に無理矢理押し込むと溝から逃げたり捩れたりすることがあり組み付け中に傷つけてしまうことがあります。
また、Oリングのサイズも国内で流通する規格では無く、特殊なサイズであるため純正品をメーカーから取り寄せねばなりません。
このご時世部品の流通も滞り気味でOリングのような消耗品はなるべく国内で調達したいところです。

ついでにウラルの隠れたウィークポイントの1つであるスローアウトベアリングも一般的な部品が使えるようにできれば良いなぁと。
標準ではSKFのBA7を使用していますがメーカー純正部品として入手すると8,000円ぐらいするのでこちらも国内で入手出来る汎用品にしたい!

これらの課題を克服し、メンテや消耗品の交換が簡単にできるように部品を再設計するのが「俺様が考えた最強のクラッチレリーズ計画」です!(大げさ)


-要件定義-
まずは使う部材を検討します。

・Oリング
可能ならそこらのホームセンターでも買えるP規格にしたい、しかしクラッチリリースシリンダーの径に合うサイズは線径が2.4mmになってしまうため、ミスミやモノタロウで入手しやすいAS568規格の製品からチョイスする。

・スローアウトベアリング
従来よりウラルのカスタムに使われているスラストニードルベアリングAXK0619を採用する。(中華品なら数百円で買える)

-設計-
使う部材に合わせてクラッチリリースシリンダーとロッドチップを3D CADで再設計します、とは言っても純正部品のサイズを正確に計測してそれを基準に少し改変するだけです。


↑ 部品構成図と断面図
クラッチリリースシリンダーはOリングの潰し率が10%強程度になるように溝を設計、独立した溝2本にすることで組み付けし易くする。
ロッドチップはベアリングの穴に合わせた軸にすると加工しろが取れないためネジ留めから止め輪方式に変更する。

-製作-
丸物は自宅の工作機械では作れないのでミスミのMeviyに依頼する、クラッチリリーススライダーのスリ割り部分を含めるとコストが上がるためそこだけ自分で加工する、これにより3,000円ぐらい単価が下がる。


すでにMeviyにデータを送ったので20日後の完成が楽しみ!

クラッチレリーズ点検

2025.06.28

最近クラッチの入り切りをしていると、エンジン付近からガラガラという振動を感じるようになってきました。
非常に微細な振動で走行に支障は無いのですが、この振動なんとなく身に覚えがあります。

と、いうことでクラッチレリーズ機構を分解して確認!

パーツリストで言うところの「ロッドチップ」に組み込まれたスラストベアリングが怪しいです。
すでに一度ベアリングの破損でSKFのBA7からハーレーダビッドソンのスローアウトベアリングに交換した経緯があるのですがそれが破損したのでしょうか?


↑ パッと見では問題なさそうですがよく見るとワッシャー(ベアリングレース)の表面がフレーキングを起こしています。
おそらくコレによって排出された金属粉や表面の荒れによって振動が発生しているのではないかと推測。

幸いベアリング自体が破損している形跡は無いので、ベアリングの清掃とワッシャーの面研で対処できそうです。

ニードルを使用したスラストベアリングは耐荷重自体は高いものの、内周と外周の径の違いから常にスリップしている状態であり、ワッシャーに掛かる負担が高いのかもしれませんね...。

トノカバーのアレ交換

2025.04.20

サイドカートノカバーのアレを交換します。
ウラルユーザーのほぼ100%が経験しているであろうゴムがビロビロに伸びて用をなさなくなるアレですw
※古いウラルのトノカバーはゴム留めではなく革製のタブだったりします。

 ↓伸びてビロビロになったアレ

中華仮想アキハバラことAli expressを検索するとそれらしい部品が見つかったので早速輸入しました。

 ↑ 一生分ありそうw

ゴム紐を挟み込んで閉じるだけですから特に難しい施工ではありませんが、ゴム紐の柔らかさと太さの兼ね合いが判らないので現物合わせで試すしかありません。

 ↑ 柔らかめのゴム紐なら3.5mm、硬めなら3mmぐらいが良さそう。
その硬め柔らかめの基準も曖昧なのですが...

ところで「伸びてビロビロになるアレ」ではさすがに困るので正式な名称を調べる事にします。

 ↑ よく見るとタブに刻印が!

ウラル純正品のタブには「YKK」「LE01STU」と刻印されており日本の大企業製であることが判ります。
LE01STUで調べるとYKK Americasのサイトがヒットしますね!
それによると「コードストッパー&コードエンド」という分類になっていますからそのように呼称すれば良いかと、実際これらのワードで検索にもヒットします。

まぁ、新しく買わずとも構造を理解して丁寧に分解すれば再利用することが可能です。

 ↑ ツメの部分に薄いカッターの刃などを差し込み少しこじれば簡単に開きます。

組み立て前の部品を見て構造を知った上での結果論ですがゴム紐だけ買えば良かったですねw

アナログスピードメータの電子化計画2

2025.01.09

少しずつ作業を進めドラム式距離計をステッパーで動かす実験。
机上実験では時速1,400km/hで走っても脱調せずに動くw


目指せ!ウラルでマッハ超え!

アナログスピードメータの電子化計画

2024.12.19

現在2017以降の電子メータに換装して特に不具合は無いのですが、興味本位で「ウラルの古いアナログメータを電子化する」にチャレンジしたいと思います。
ウラルみたいなレトロチックなマシンにはオールドスタイルのメーターの方がお似合いですから、いつか今使っているメーターが壊れたときのために準備しておこうかと。


↑ ウラルビレッジの村長さんから使っていないアナログメーターを譲って頂きました。
自分の年式(2013)よりも古いタイプのデザインですね、とは言え内部構造に違いは無いと思うので早速分解して確認します。

中を開けるとスピードメーター部は電磁誘導とぜんまいバネの釣り合いを利用した言わば電圧計、距離計はギア比1:1000に減速してドラムを回す構造であることが判りました。
1:1000はメーターワイヤー1回転1mというわかりやすい規格ですがこれはロシアの工業規格ГОСТ 1578-76によるものです。


スピードメーターの指針、距離計のドラムそれぞれにステッピングモーターを仕込んでマイコンで制御する予定、特に急ぐ計画では無いのでアイデアを出しながらゆっくり進めていきます。

↑ 開発中の様子。
計測値をそのまま指針で示せば良いだろうと簡単に考えていましたが、自然になめらかに見える制御は意外とノウハウがいるようで一筋縄にはいきませんね...

サイレントブロックその後3

2024.10.06

ウレタンゴムで作ったサイレントブロックに交換してから2年半ほど経過したので確認してみます。

フロント側、ショアA90の固いウレタンゴムを低圧縮で組み込んだものです。

特に変化無し、今のところ加水分解の徴候もありません。

リア側、ショアA70の少し柔らかいウレタンゴムを圧縮して組み込んだ側です。

やや下側に偏心していますね、加水分解の徴候は無し。

予想と違い硬めのゴムを低圧縮で組み込む方が変形は少ないようです。

リア側にショアA90を低圧縮で組み込んで実験すれば明確な結果が得られそうですね、実験あるのみ!

ブランチパイププロテクター公開

2023.11.12

以前作成したブランチパイププロテクタのデータをThingiverseで公開しました。

需要はあまりなさそうですがブランチパイプの摩耗に悩んでいるウラル乗りは是非作ってみて下さいね!

ここからダウンロードできます。

ステンレススポークその後(仕様公開)

2023.08.20


ステンレススポーク化してから早2年が経過しました。
一般道だけではなく高速道路、フラットダート、雨天など様々な環境を走り数千キロは優に超えていますから十分な検証が出来たと思います。

結果、スポークの頭が飛んだり折れたりする不具合は無く特に問題無さそうなので自身の備忘録を兼ねて仕様を記します。

とはいえ車輪の主要部品であるスポークは命に関わる重要な部品です、DIYのお約束としてこの記事を参考にするのは
自己責任
で、お願いいたします。

スポークの入手


ウラルで使用されているスポークは4.5mmと太く規格で言うと7G(7ゲージ)です。
この太さのスポークを個人注文出来る国内メーカーを見つけることは出来なかったため、中国のAliexpressを利用しました、いくつかのスポークメーカーの中からJQORG Official Storeに長さ指定で注文。

費用は1輪あたり6,000円強、スペアを含む4輪で25,000円程度です。
(2021年当時の価格)

スポークの加工サイズ


プレスハブのよほど古いモデルでない限りウラルのスポークは長短2種類です。
2013年までのフロントディスク・リアドラムのモデルは長1組・短2組(スペアは短1組)それ以降の全輪ディスクのモデルはスペアも含め全て長です。

  • 長 L=178mm
  • 短 L=137mm

  • スペアを含め全ての車輪をステンレス化する場合必要な本数は次の通り。
    ・全ドラムモデル  短160本
    ・前ディスク後ドラムモデル  長40本 短120本
    ・全ディスクモデル  長160本
    ※全ディスクモデルは当方の実測値と異なる可能性があるのでスポーク長と必要本数は実測して下さい
    下図のとおりに加工します。(クリックで等倍PDF)

    スポークの曲げ角は多少ズレても問題ありません、誤差を吸収できるのがスポークホイールの良いところです。

    ニップルについて


    スポークに付属している中華ニップルはウラル純正のものよりネジ部の外径が若干細く、リム穴とニップルの間に隙間が出来ます。
    2年間使用した限り強度的な問題はありませんが、気になる場合はウラル純正のニップルと組み合わせた方が良いかもしれません。(※理論的には組めるはずですが未検証です)

    注意点


    ウラルのリムを別途調達する場合、ドラム用リムとディスク用リムではスポーク穴の角度が違うので間違えると物理的に組めません。
    前ディスク後ドラムモデルで全輪バラして組み直す場合なども1輪ずつ組み立てるなどリムを混同しないように注意して下さい。

    サイレントブロックその後2

    2023.04.08

    ウレタンゴムで作ったサイレントブロックに交換してから1年ほど経過したので確認してみます。

    フロント側

    硬度ショアA90のほぼプラスチックのようなゴムを低圧縮で圧入した側です。
    今のところ全く変形しておらず取り付け当時と変わりはありません。

    リア側

    硬度ショアA70のやや柔らかいゴムを多少圧縮して圧入した側です。
    圧縮により軸方向にはみ出したゴムがショックアブソーバのブラケットに当たって跡が付いていますがこちらも変形は無く良好です。

    心配している加水分解も1年ぐらいでは起きない様子。

    感覚的で根拠は無いのですが、ショアA70をもう少し短く作り直したものがマストな気がします。
    1年程度では変化は見られないのでもう少し様子見ですね。

    TPMS

    2022.09.11

    最近安くなってきたTPMS(Tire Pressure Monitoring System)を試してみました。
    欧州の車は装着が義務付けられているようですが、本邦に於いては一部の高級車しか装備されていません。
    しかし空気圧管理がシビアなサイドカーにこそ相応しい装備だと思うのですよね!

    と、いうことでアリエクで注文すること約10日で届いたブツ。

    ↑ スマホのアプリで表示するタイプです、Bluetooth4.0対応の型落ち製品なので3000円強で入手できました。
    自動車用を購入したため4つのセンサーと着脱&電池交換用の工具が付いています、アプリはネットからダウンロードする仕組みです。

    しかし元々自動車用なのでアプリは当然自動車のイメージ...

    使用上の問題は全く無いのですが、なんとなく気に入らないのでウラルのイメージに改変しましたw
    Androidアプリは多少知識があれば弄れるのがよいですね。
    ↓ ウラルのイメージにしたアプリ

    本車前後輪&側車輪+スペアで4つのセンサーを丁度使いきります。

    センサー部はやや大きくバルブに負担をかけそうでちょっと心配です。

    ↑ 左から TPMSセンサー・アナログインジケータ・標準のキャップ

    脱落&盗難防止のナットを使うと脱着に工具が必要なのが残念。

    センサー部が大きいのでちょっと異物感がありますね...


    スマホのアプリで無事モニタリング出来ています!
    センサーの示す空気圧は圧力計で計ったものとほぼ同じで正確な様子。
    しばらく運用して使えるアイテムか判断したいと思います。

    ...スペアタイヤに空気を入れねばw

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