5年前の記事でモバイルバッテリーから昇圧してポータブル運用を可能にしたETC車載器ですが、検索でたどり着く人が思いのほか多く真面目に解析することにしました。
※自主運用の是非は議論しない方向で、DIYのお約束も忘れずに!
ETC車載器のメーカーや機種によって5v化のやり方はだいぶ違うようで、電源回路をバイパスして5vを印可するだけで動いてしまうものもあれば、ACC電源を監視して一定の条件を満たさなければ起動しないものもあります。
自分が使用しているETC車載器は後者で、DENSO製の機器に多いみたい。
と、言うことでここではTOYOTA純正ETC車載器(DENSO DIU-7100 相当?)を解析します。
~解析結果~
...色々調べた結果、電源回路をバイパスするほか、マイコンのとある入力ピンに2.2v程度の電圧を掛けてやれば起動することが判りました。
改造ポイントは次の3点です。
・電源回路の出力部分に5vの電源を接続する
・マイコンのACC監視端子に2.2v程度を印可する
・適当な位置にマイナスを接続する
マイコンに印可する2.2vは10kΩの抵抗2つで5vを分圧して作ればOK、測定値より0.3vほど高い電圧になりますが誤差の範囲でしょう。
回路の概要はとこんな感じ。
モバイルバッテリーからの電源入力は既存のコネクターを流用して基板のA B C点と接続します。
・A点
モバイルバッテリーの5vはETC既存のJSTコネクタを介して接続する想定です、一番外側の端子は未使用なのでコレを利用してETC内部に5vを引き込みますます。
引き込んだ5vはETCの電源部をバイパスした下図の位置に接続するのがよいでしょう。
↑平滑コンデンサ付近、ランドが大きく半田付けしやすい
↓反対側(バッテリー入力)は既存のJSTコネクタ一番外側に接続
・B点
マイコンのACC検出端子に供給する2.5vの分圧用グランドです
B点のランドが大きく半田付けしやすいでしょう、反対側は10kΩの抵抗を直列に半田付けし、その一端と接続します。
直列した抵抗のもう一端はJST端子の一番外側(バッテリー入力)に接続します。
・C点
マイコンのACC検出端子と繋がった場所です、C点のチップ抵抗に半田付けします。
反対側は直列に接続した抵抗の中間地点と半田付けします。(丸印)
以上で改造はおしまいです。
モバイルバッテリーの5v単電源で動作するようにした、DENSOはACC電圧を監視してるようで解析が面倒だね pic.twitter.com/1sZJlfBrmM
— junker@M-mode (@junker1977) February 10, 2021
平均的に80mAぐらいの電流が流れる様子。
15000mAhのモバイルバッテリーなら7日以上電源入れっぱなしでも大丈夫な計算です。