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クラッチスライダーOリング交換

2020.01.19

借りている駐車場の床にぽつりぽつりと油染みが!

どうやらクラッチレリーズ機構からわずかに漏れているようです。

パーツリストでは「クラッチリリーススライダー」とされる部品の「スライダーリング」という所謂Oリングがヘタっているものと推測。
もともとこの部位は漏れる頻度が高いのか、メーカー側でも手を変え品を変え対策に苦労している様子です。

簡単に調べたところ次のように変遷しています。
xxxx~2011 シングルOリング
2012~2016 ダブルOリング
2017~現在 シングルXリング

↑2013モデルはダブルリングタイプ

ウラルジャパンから取り寄せれば確実ではありますが、オイルシールなどの消耗品は汎用部品が使えると納期や金額の面で大変有利ですし、メーカーから部品の供給が止まった後にいつまで車両の維持が出来るかという大きな要素でもあります。

そこで今回は純正部品を使わず汎用部品での補修を検討してみました。

取り外したOリングはかなり変形しており、正確なサイズを計測するのはかなり困難です。

しかし、2016年まで部品番号が変わっておらず古くから同一サイズのOリングが使われている様子、ロシア製であればメトリックでしょうからインチのような中途半端な値ではないと推測し、そこからサイズを導き出しました。

このサイズは独自規格のようで、完全に一致する規格製品は残念ながらありませんでした。
全ての部品を工場内で一元生産するロシアの製品にはありがちな事ですから今更驚きはありませんが...

調べてみると航空宇宙規格として定められたAS568規格に最も近いサイズが存在することがわかりました。
・AS568-209 線径3.53 x 内径17.04 x 外形24.10
純正のOリングよりも0.1mmほど外形が大きいですが、Oリングの弾性を考慮すれば使えるのではないかと?
とは言え機械部品の0.1mmはかなり大きな差になりますから、動きが渋くなったり、そもそも装着できない可能性もあります。
実際に試してみるしか答えは出ないので、材質の違う同サイズを2種類取り寄せました。

ニトリルゴム系(NBR)とフッ素ゴム系(FKM)、見た目に違いはほとんどありません。

結果、ギアボックスケースへの挿入に難儀するもののフッ素ゴム系のOリングを取り付けることが出来ました。(ニトリルゴム系は固定用をチョイスしたためかゴムが固く取り付けを断念)
取り付けてしまえば動きはスムーズでクラッチ操作に影響が出るようなことはありません。

しばらくは正しくシールされオイル漏れが無いか確認し、問題なさそうであれば耐久性を検証します。


部品を図面化すると無意味にレンダリングしたくなるw