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オイルクーラーその後

2015.09.27

オイルクーラーを取り付けてからまもなく二ヶ月が経過します。
パーツメーカーやショップが出しているキットとは異なり、自分で考えて組み付けた部品は信頼性のチェックも自分で行わねばなりません。
しばらくの間は近所を回って様子を見ておりましたが特に大きな問題も起きていないようなので、最近では少し信頼して高速道路も走れるようになりました。

・発生した小問題点
オイルクーラーコアとANアダプタのクラッシュワッシャー部分からごく微量のオイル滲みが発生。

一度分解して確認してみると、クラッシュワッシャに段差が付いていることに気付きました。
どうやらバンジョーを取り付けることが前提の座繰りに対して、クラッシュワッシャーが微妙に大きく密閉出来なかった様子です。
マツダ車用の14mmワッシャ-がちょうど良かったので問題解決。

んで、実際の所オイルクーラーの効果ってどうよ?
と言うのが肝心なのですが、高速道路を80km/hぐらいで巡航したときの油温は90℃強とずいぶん下がり、以前の120℃近い温度に比べて相当下がっているようです。(スピンオンフィルターカバーだけでも10℃ぐらい下がってたけど。)
市街地走行でも以前なら間違いなく100℃を越えていたコースを走っても、80~90℃をキープしています。

しかし、走行風が当たってこそのオイルクーラーですから、渋滞に30分も捕まればみるみるうちに120℃を越えてきます。
そこでPCケース用の冷却ファンを取り付けてみましたが、これがどの程度効いているかかなり微妙です。

↑ 使用したのは山洋の4600rpm 2ボールベアリングタイプ。
使用環境温度を外れている上、そもそも防水でもないのですが、あくまでも実験的なものなので壊れても良いかなぐらいの勢いです。

渋滞にハマるとシリンダー温度の上昇は防げませんから、オイル温度だけにこだわってもあんまり意味がないのかもしれませんね。

オイルクーラー装着!

2015.08.01

ひと月ほど検証を重ねてやっとオイルクーラーの装着に漕ぎ着きました、以下その経緯です。

オイルクーラーコアのマウンターをダウンチューブに取り付けるためのステーを作成しました。

↑ フラットバーやホームセンターで売られているL字ステーを適当に溶接して作ったマウント。
見栄えが悪いのはご愛敬です。


↑ オイルクーラーコアを付けるとこんな感じに・・・。
ゴムブッシュを使ってフローティング構造にすることで振動対策もバッチリ?です。

この状態で2週間ほど走りステーの信頼性を担保しました。

次にフィッティング。
比較的安価で信頼性のあるキノクニ「ランマックス」シリーズで統一します。
タイトな空間なため曲げやすいナイロンメッシュホースを使用しました。

↑ 薄刃のカット砥石を装着したサンダーを使用するとメッシュがほつれずキレイに切断出来ます。

現物合わせでフィッティングします。

エンジンとクレードルフレームの中央は合致しておらず、若干船側にオフセットしているため、フィッティングも左右対称ではありません。

横からフロントフェンダーとのクリアランスを確認します。

オイルクーラーコアよりオイルフィルターの方が突出しています。
しかもオイルクーラーコアの下縁はクロスパイプより上に位置しており、路面とのクリアランスも損なわれていません。
なかなかスマートに設置できたのではないかと自画自賛。

まだ近場をおそるおそる走らせている段階ですが、多少油温が下がったような気がします。
少なくともオイルクーラーコアは60℃ぐらいになっていますから熱の交換は行われている様子です。

オイルブロック装着

2015.07.04

オイルラインの改造は走行不能になるトラブルを起こす原因になりかねませんから、いきなりオイルクーラーを装着することはせず何段階かに分けて慎重に進めていく予定です。

まずは先日作成したオイルブロックを装着してオイルが正しく流れるか?オイル漏れが起きないか?などを検証します。
自分で適当に設計した部品ほど安心できないモノはないですからね。

んで、早速問題発生!
アダプタボルトがフロントカバーのセンターボルトに底付きしてしまい、オイルブロックが固定できません・・・

↑ 底付きしてこれ以上ねじ込めないアダプタボルト

このセンターボルトが長すぎるのが原因ですから、一度外して切断することにしました。(覚え書き カバー側 M20x15 P1.5 二面幅24mm)

グラインダーでさっくり切断して再度装着。

↑ 1cm近く切断してもまだこの飛び出しっぷりです、まぁアダプタボルトが底付きしなければ良いので…


無事オイルブロックを装着することが出来ました。

INとOUTをバイパスするオイルラインを耐圧ホースで作成してその途中にフローモニターを取り付けてみました。

では早速エンジンを掛けてオイルを回してみます!

設計通り正しくオイルが流れたようでひとまず安心しました。
ところでアイドリング程度の回転数でこんなにオイルが流れているとは予想外です。
もしかすると最近のモデルは初めからハイボリューム仕様なのでしょうか?
比べてみないと判りませんね。

今のところオイルブロックのOリングやフィッティングの接合部からオイル漏れはない様子です。

アルマイト

2015.06.23

オイルラインの改造は下手をすると出先で走行不能に陥る可能性がありますから、慎重に検証しながら何段階かにわけて実施する予定です。
その第一弾となるフィッティングパーツがキノクニから届きました。

↑ キノクニのランマックスシリーズはアールズの赤や青と違い、黒と銀を基調にした落ち着いた色合いです。

それに合わせて先日削り出したオイルブロックもアルマイトを施すことにしました。
A2017は腐食しやすいので耐腐食性の向上も兼ねています。

アルマイトに使用するのはレッツアルマイトのキット。
今までにもキャリパーサポートなどを何個も施工して大変良い結果を納めています。
成功のポイントは
・電極の接続は念入りに行うこと
・温度の管理(20℃ ±5℃)をしっかり行うこと
・陰極は陽極以上の面積を確保すること
でしょうか?

↑ 温度の管理には凍らせた水入りのペットボトルを使用。
陰極は鉛板より入手が容易なアルミ板を使用しています。

電解中は水素と酸素が大量に発生します。
無臭で人体に害もありませんが、むせるような感覚がしますので換気はしっかり行います、可燃性ガスも出てますから。

低めの温度で長めに電解することでアルマイトの難しいA2017も問題なく施工出来ます。

電解が終了したら着色工程です、フィッティングに合わせてブラックアルマイトにする予定でしたが黒色の染料を持っていません。
しかし、アルマイトの染料は混色が可能ですから色の三原色さえ揃えれば、殆どの色が再現できます。

青・赤・黄の染料を上手く混ぜると黒っぽい色になります。

15分ぐらい染料に漬け込んで着色完了!

最後に酸化皮膜の穴を閉じる封孔処理です。
酢酸ニッケル溶液で10分ほど煮込むだけ。

とても酸っぱいニオイがするので家の人に怒られないようにしっかり換気します。

んで完成!

適当に調色した割にはわりかし黒ですね。

酸化皮膜は硬質で電気を通しません。
アルマイトが成功したかはテスターを当て通電するか確認するとすぐに判ります。

プローブの先端で軽く引っ掻いても傷が付かないくらいの硬度があります。

次はオイルクーラー(コア)の取り付け場所と方法を考えねば!

オイルクーラー計画再始動?

2015.06.14

オイルクーラーを取りつけるべく、オイル取り出しの要となるオイルブロックを検討します。

フロントフェンダー後縁とのクリアランスを保つため前方への突き出しは少ない方が良いですから、なるべく薄型の製品を探さなくてはいけません。

しかし、この手のアイテムは基本的に自動車向けに設計されており要求を満たす小型の製品を見つけることは出来ませんでした。
汎用的に使えそうなオイルブロックは大体30mmぐらいの厚さがあるようです。
探せばもっと薄いのもあるのでしょうけど無いのなら自分で作るしかないですかね?
と、いうことで極限まで薄いオイルブロックを製作することに・・・。

・設計
まずは要求する仕様を満たすように設計図を作ります。
設計図とはいっても、今時は紙に書くのではなく3D CADソフトを使って視覚的に設計することが出来るのでとてもイメージしやすく手軽です。

CADの名門、Autodesk社の3D CADソフト「123D Design」を使って立体構造を確認しながらモデリングしました。
このソフトはAutodesk社の3Dプリンタ向けソリューション一環として無料配布しているもので、シンプルな機能しかありませんが工夫次第で複雑なモデリングも出来なくはありません。
しかも作ったデータをそのまま3Dプリンタで出力するサービスも行っているようです。

オイルブロックに要求する仕様は#6(9.5mm)クラスの油路を確保すること、オイルブロックの厚みを20mm以内にすることの2つです、極力コンパクトにします。
結果、肉厚の一番薄いところは1.2mmしかないというかなりギリギリな設計になりました。

・製作
製品を構想できたらそれを具現化しなくてはなりません。
3Dプリントサービスで出力すれば、先ほど作ったデータを渡すだけで完成しちゃうのですが、金属の出力はいまだに高価でさすがにコスト的に合いません。
所有する小型のCNCを使ってアルミ(A2017)のブロックから削り出すことにしました。

まずは2D CADで切削パスを作成します。
2D CADは「JW CAD」Gコードの生成は「NCVC」を使用しました。
ホントは高機能なCAMソフトで工具径を考慮した切削パスを一発で生成したいところですが自動車が買える値段がしますからね・・・

どちらもとても素晴らしいソフトです、作者様ありがとう!

CAM上で入念にシミュレートを繰り返し、問題が無ければ切削に入ります。
卓上フライスとパソコンを接続し、CNCソフト「MACH2」に先ほど生成したGコードを読み込ませます。
所有するフライスは小型で定格時間が30分しかありませんので、それにあわせてGコードも分割してあります。
また、両面加工するためワーク(素材)の位置決めは慎重に行い、ダイヤルゲージで0.05mm以下の精度で平行を出しておきます。

準備が出来たらおもむろにプログラムを実行!
本来プログラムが完了するまで放っておけば良いのがCNCの良さなのですが、卓上CNCではそうは行きません。
切り粉の処理や切削油の滴下は自動化されていませんから付きっきりで監視することになります。
他にもエンドミルの破損やステッピングモータの脱調、プログラムのミス、ホストコンピュータの不具合など心配事は尽きません。

定格時間ごとにスピンドルモータを休ませるため、稼働率が50%程度ですから、すべての切削が終了するのに土日をたっぷり費やしました。

そして一応設計通りに現物が完成!

市販品に遠く及ばないクオリティですが、自分が使うぶんには及第点でしょうか?

ナンバープレート

2015.04.25

先日参加したイベントでは思いのほか人気があり、ウラルの写真を撮る人がたくさんいました。

観光地では駐車場所に戻るとウラルをまじまじと観察する人もいたりして、なんとなく車両にもどるタイミングを失うことがあります。

↑ 舞鶴赤れんがパークの駐車場で熱心に写真を撮る人の写真

まぁ、オーナーとしては鼻高々なんですけどね!

いつTwitterなどのソーシャルメディアに晒されてもおかしくないですから、ナンバープレートを隠すアレを作ってみました。

ロシア国旗な背景にウラルのロゴと主要諸元をデザインしました。
・・・すべてキリルで! 読ませる気なし!

ナンバープレートのモザイク処理は結構面倒くさいので撮る側にとっても好都合かもしれません。

マグネットシートに印刷したのですが、ナンバープレートはアルミ板でくっつかないというオチ付きです。

需要あるか不明ですが、データを公開します。
2013年式 GIRE UP のスペックに準拠していますがカタログやドキュメントにより数値が違ったりするので、その辺は自分で納得のいく数値に書き換えてください。
illustrator CS6 AI形式 370KB

銃架装着?

2015.03.15

ホームセンターで塩ビパイプと塩ビ板を買ってきました。

塩ビ板を適当なサイズに切り出し、塩ビパイプを通す穴を開けたら適当な曲線になるように曲げて塩ビパイプと接着。

↑ 適当な曲線っていうのが難しいのですが・・

さらにハンドリベットの頭だけを切断して塩ビ板の四隅に貼り付けディティールアップを図ります。

塗装が乗りやすくなるようにプラサフを塗ってから・・・

それっぽい色で適当に上塗り塗装します。

塩ビ板の裏に強力なマグネットシートを貼ると・・

ぱんぱかぱ~ん 完成!

↑ 着脱可能な「なんちゃって銃架」なのでした。

本物の銃架を取り付けるためには船に大穴を開ける必要がありますし、本物を付けたところで銃を取り付けることは絶対にありませんからね。
それならイミテーションで良いだろうという訳です、TPOをわきまえて着脱出来ますし。


↑ さっそく装着! さらに野暮ったくなりました。

色が違うのが気になるので気が向いたときに塗り直そうかな。

あえて素材に塩ビをチョイスしたのは、比較的低い温度で曲げることが出来、容易に加工できるためです、80℃ぐらいの熱湯で温めるだけで簡単に曲げることが出来ます。

オイルクーラーブラケット作成

2014.11.01

フロントカバーを交換してスピンオン式のオイルフィルターを使うようになってから油温が10度くらい下がったような気がします。

このままオイルクーラー無くてもいけるんじゃないかと考え初めているのですが、そこは初志貫徹ということで作業を進めることにしました。

まずは、オイルクーラー本体をダウンチューブに取り付けるべくブラケットの製作からです。
なにぶんクリアランスに余裕がありませんから強度を確保しつつコンパクトに作る必要性があります。


↑↓ とりあえず現物合わせでフラットバーを曲げたり溶接したり・・・

んで、こんな感じになりました。

オイルクーラー本体はゴムブッシュでフローティングさせ振動対策も施してあります。
後はオイルの取り出し口と配管をどうするかですね。
市販のオイルブロックは大きすぎるので自作するしかないかも。

・・・とりあえずオイルクーラーの装着は一時保留して、大容量オイルポンプの効果を確かめてみるとしますかね。

自作ピックアップロータ-取り付け

2014.09.28

とりあえずA5052で削り出してみたものの、ホールセンサーに反応しないのではないかという疑念がぬぐえません。
センサーの仕様を調べて確証を得ることにしました。

ホールセンサーに刻印された型番からHoneyWell社の1AVシリーズであることが判りました、Webで部品のデータシートを検索します。
結果、危惧していた通りの仕様でした・・・。
以下データシートから抜粋。
------------------------------------------
The vane is a low carbon cold rolled steel,
type AISI, 1018 or lower in carbon content.
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低炭素冷間圧延鋼板でAISI規格1018(JISだとS17Cが近いか?)以下の炭素含有率を推奨しているようです。
やはり磁性体でないとダメか・・・。

結局作り直しが必要ですね、プレス加工された鋼板なら低炭素の軟鋼でしょうからセンサーの要求する条件を満たしそうです。
身の回りをあさったところ、良さそうな素材を発見しました。

↑ 2.5インチハードディスクの3.5インチ変換マウンターです。
以前HDDをSSDに換装した際、SSDの付属品に含まれていた物ですが捨てずに良かったです。
メッキがしてありサビにも幾分強そうですし、素材としてぴったりでしょう。

んで、さっくりミーリング。

↑ 上手に切れました~!
実際にはアルミより切削条件が厳しいので40分ぐらい掛かってます・・・。

さっそくウラルの純正ピックアップローターと交換します。
いや、このセンサーの場合インタラプトローターといった方が正確かも。

↑ みごとぴったり収まりました。

これでローターを固定するボルトを雑に締緩してもタイミングがズレる心配はありません。
単純にホールセンサのベースプレートだけ調整すれば良くなり点火時期の調整が非常に楽になりました。
実際セルを回すとセンサーはしっかり反応し、エンジンの始動にも問題ありません。

本来メーカーがこういう仕様で作るべきだと思うのですけどね。

ピックアップローターの製作

2014.09.24

実測したデータを元にCADで設計したピックアップロータを製作してみました。
虎の子のCNCを使って削り出す事にします。

まずはCADのデータを元にCAMで切削パスを作成。

卓上フライス盤にパソコンを接続して切削パスを読み込ませます。
んで、おもむろにプログラムスタート!

20分ほどでミーリングが完了しました。
そこそこうまく削れたかな?

↑ ワークをフライスに固定しやすくするため、数カ所母材と接続した部分を残しています。

母材から切り離してバリを取ったら完成です。

ところで何も考えずにアルミ合金(A5052)で作ったけど、非磁性の金属にもセンサーは反応するのだろうか?

誘導型の近接センサなら大丈夫だと思うけど、なにぶんウラルなので(点火機構はDUCATI製だけど)予想の斜め上を行きそうな気がしています。
このピックアップロータが磁力線を遮断するための物だとすると、非磁性の金属だと反応しない可能性が高いです。

磁性のある金属で作り直さないとダメかも。

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