記事一覧

どうなるロシア情勢!

2022.03.08

ここひと月で急展開、いや、コレを書いてる間にも状況が刻々と変わっているような状態ですが、ロシアのウクライナ侵攻による影響を考えてみます。
まぁ素人の根拠に乏しい想像なので細かいことは色々ご容赦を。


当方、過去5回ロシアに渡航しトータルした滞在期間は2ヵ月を超えるぐらいの似非ロシアフリークです。

シベ鉄に乗ったり

ソユーズの打ち上げを見に行ったり
(正確にはカザフスタンのロシア租借地ですが)

ユーラシアの大地(の端っこ)を自分のサイドカーで走ったり

ロシアでは数々の楽しい体験をしてきました。

ロシアの人々は素朴で人情味があり、だけど自分の意見はしっかり主張する印象です。
一人で街を出歩いても危険を感じるような事は一度もなく、他に行ったことのある国よりよっぽど安全に感じました。

そんなわけですっかりロシアの文化を気に入り、ウラルサイドカーに乗る理由のひとつでもあるのですが、プーチン大統領率いる政権が仕掛けたウクライナに対する侵略戦争の制裁で瞬く間に国際社会からロシアは分断されようとしています。

すでに本邦からもロシアへの渡航自粛が発信され、コロナ禍が去ってもロシアへ観光に行くことは難しくなりました。
それも大変ショックですが、サイドカーブログとしては「今後ウラルを安心して維持出来るのか?」が一番気になる焦点になります。


現在のウラルモーターサイクルはロシアンサイドカーと言いつつも実際にはアメリカ資本の企業で販売されています。
もともと工場のあったイルビトは部品を組み立て輸出する外国の生産工場というわけですね。

まず気になるのがイルビトにおいて生産を続ける事ができるのか?と言う疑問。
国際社会の制裁により、現時点で大部分の銀行間取引やカード決済、PayPalなど送金が出来なくなっており、ただでさえ弱いルーブルの流動性がさらに低下、価値が1/3になっています。(おそらくさらに下がる)
加えて世界中の企業が独自の判断でロシアへのサービスや製品の出荷停止を始めており、ドイツ・イタリア・スウェーデン・日本など多くの国の部品を組み合わせて生産されている製品だけに部品の調達にも難が起きそうです。
いや、eBayでウラルやドニエプルの部品を売るセラーは販売地をカザフスタンなどの第三国に切り替えることで商売の継続を模索している様子ですから、すでに影響が出ていると言えます。

ソ連時代のネジひとつから自社工場内で生産し、内需に向けて販売する形態の工場であれば他国を切り離して生産を続けることも出来たのかもしれませんが、すでに工場の大部分が廃墟になり外需に向けて多くのサプライヤーから部品を寄せ集めて生産する今時のビジネスモデルではそれも難しいでしょう。

生産したくても資金がない、サプライヤーが提供してくれない、作ったものの運ぶ手段が無い等の理由で機能不全になる確率は低くはなさそうです。

もう一つはコレ。

ウラルモト社が各種SNSで投稿した記事です。
「STOP WAR NOW」この主張はもっともで強く同意するものです。
しかし、生産工場がロシアにあるというのが問題になりかねません。
と、言うのもロシア国内にも少なからずいるウクライナ侵攻に反対するデモの参加者をプーチン政権は大量に逮捕拘留しています、「虚偽情報」統制強化の法律も制定され、ロシア(というかプーチン政権)に不利益な発言は何らかの理由をこじつけて犯罪者に仕立て上げることが可能なのです。
現在のウラルモトはアメリカの企業とはいえ、生産工場が無関係でいられるかと言えばそれは難しく、ロシア政府による懲戒を受ける可能性はゼロではありません。
また、多くの西側企業がロシアを一時撤退する中、ロシアに利益をもたらす活動を続けるジレンマに向き合わざるを得ない可能性も出てきます。

これらの懸念はおそらくプーチン政権が失脚するまで続くと考えられます。
製品の生産が出来なければ、現在の在庫が尽きた後、内部留保でしのぐしかなく、長期になった場合はたして耐えられるのかとても心配な所です。


このような想像が杞憂で終わる事を願いつつ、戦争の早期終結とウラルモーターサイクルの安定した継続を応援いたします。
またロシアに行ける日を願ってНет войне!

当面は車両を壊さないようにいたわりながら運転するのが良さそうですね…

オイルゲージ改修

2021.11.28

ウラル乗りあるある、エンジンオイルのディップゲージがとにかく見づらい問題。
特に新しいオイルに交換した直後だと油面のラインがさっぱり判りません。

この手のディップゲージは液濡れのテカりを見るのですが、そもそもゲージ自体がテカっていて境目が判別できないのです。

ならばと言うことでテカりを無くす方法を考えました。
・ヤスリで微細な傷を付けて梨地にする
・黒く塗装する
梨地にする案を試してみたところ多少見やすくはなりますが激変するほどでは無し、塗装では高温のオイルにさらされると剥がれてしまいそうです。

んで思いついたのが黒染め処理。
猟銃用に買ったものの使わず死蔵していたガンブルーを試します。

なにやらこの薬品、今は日本で入手することが出来ない様子、大切に使わねば。


↑ 薬品に漬けると一瞬で黒く染まります。

さっそくオイルレベルを計測してみると・・・

いかがでしょう?くっきりハッキリ見えるではありませんか!
もくろみ成功です、塗装と違い金属自体を変質させているため高温のオイルに長時間つけても色が抜けることはありません。
コレは良いぞ!

側車輪ナット

2021.11.07

オイル交換ついでに色々点検していると側車輪にガタが出ている事に気づきました。

ハブキャップを外して様子を見るとナットがかなり緩んでおり、割りピンのおかげで脱落を免れていた様子です。
ホイールがわずかに動いてしまったためかシャフトには囓ったような痕も...

↑ 幸いひどい段付きにはなっておらずシャフトを交換する必要はなさそう。

原因は明らかにナットの締め付け不足です。
ナットの脱落防止のための割りピンが結果的に締め付け力不足を生んでいる疑惑。
割りピンを通すためキャッスルナットの谷と穴位置を揃える必要がありますが適切な締め付けトルク時に穴位置が合わないという...
締めるか緩めるかで調整するにも60度の幅は大きすぎます。

と、いうことでシムを使って調節することにしました。
まぁシム=その辺のホームセンターで売っているM20のワッシャーですけど。


そのままだとハブキャップを取り付けるワッシャー?の凹みに収まらないので外周を削って小径化します。↓

これで適正なトルクを極端に逸脱することなく割りピンをさしこめます。

まぁそれでも定期的な緩みのチェックはする方が良さそうですね。

ライダーズカフェ

2021.05.25

月刊更新すらままならず、さかのぼって更新する始末w

さて、最近(といっても1年ほど前)近所に出来たライダーズカフェ「Cafe Jack in the Box」に行ってきました。

以前WKRCでお世話になったCafe浄蓮のゆきねー(
@koitantan6634)さんが経営するお店みたい。

昼時だったのでランチのハンバーガーを注文。

ボリュームがあり値段もリーズナブルで満足です。

スイーツ系メニューも多く有り、個人的なお勧めは和三盆のフレンチトースト!

ともすれば家から5分程度でついてしまうぐらいの距離ですが、ツーリングの帰り道などにふらっと訪れて余韻を楽しむのも良いかもしれませんね!

ウラルのIoT化する!

2021.04.03

まずはこちらを見て頂きましょう。

音だけのフェイクじゃありませんよ、ホントに始動しています。

おそらくiPhoneからウラルを始動したのは世界初ではないでしょうか?(まぁこんなアホな事やる人はいないわなw)

タネを明かすとさほど難しい仕掛けではなく、ESP32というWiFi対応のマイコンを使ってスターターリレーを操作しているだけです。
インターネットに繋がる環境があれば世界中何処からでもウラルが始動できちゃいます♪

今回はお手軽にスターターを動かすだけの仕組みですが、やろうと思えばイグニッションキーの操作も出来ますし、油温、シリンダー温、回転数、速度、測位座標等々インターネット経由で自宅のサーバーに飛ばして記録する仕組みも作れちゃいます。

レトロチックなウラルもIoT化出来るという技術実証実験(おふざけともいう)なのでした。

自主運用ETC 改良?2

2021.02.11

5年前の記事でモバイルバッテリーから昇圧してポータブル運用を可能にしたETC車載器ですが、検索でたどり着く人が思いのほか多く真面目に解析することにしました。
※自主運用の是非は議論しない方向で、DIYのお約束も忘れずに!

ETC車載器のメーカーや機種によって5v化のやり方はだいぶ違うようで、電源回路をバイパスして5vを印可するだけで動いてしまうものもあれば、ACC電源を監視して一定の条件を満たさなければ起動しないものもあります。
自分が使用しているETC車載器は後者で、DENSO製の機器に多いみたい。
と、言うことでここではTOYOTA純正ETC車載器(DENSO DIU-7100 相当?)を解析します。

~解析結果~

...色々調べた結果、電源回路をバイパスするほか、マイコンのとある入力ピンに2.2v程度の電圧を掛けてやれば起動することが判りました。
改造ポイントは次の3点です。
 ・電源回路の出力部分に5vの電源を接続する
 ・マイコンのACC監視端子に2.2v程度を印可する
 ・適当な位置にマイナスを接続する

マイコンに印可する2.2vは10kΩの抵抗2つで5vを分圧して作ればOK、測定値より0.3vほど高い電圧になりますが誤差の範囲でしょう。

回路の概要はとこんな感じ。

モバイルバッテリーからの電源入力は既存のコネクターを流用して基板のA B C点と接続します。

・A点
モバイルバッテリーの5vはETC既存のJSTコネクタを介して接続する想定です、一番外側の端子は未使用なのでコレを利用してETC内部に5vを引き込みますます。
引き込んだ5vはETCの電源部をバイパスした下図の位置に接続するのがよいでしょう。

↑平滑コンデンサ付近、ランドが大きく半田付けしやすい
↓反対側(バッテリー入力)は既存のJSTコネクタ一番外側に接続

・B点
マイコンのACC検出端子に供給する2.5vの分圧用グランドです

B点のランドが大きく半田付けしやすいでしょう、反対側は10kΩの抵抗を直列に半田付けし、その一端と接続します。

直列した抵抗のもう一端はJST端子の一番外側(バッテリー入力)に接続します。

・C点
マイコンのACC検出端子と繋がった場所です、C点のチップ抵抗に半田付けします。

反対側は直列に接続した抵抗の中間地点と半田付けします。(丸印)

以上で改造はおしまいです。


平均的に80mAぐらいの電流が流れる様子。
15000mAhのモバイルバッテリーなら7日以上電源入れっぱなしでも大丈夫な計算です。

オイルブロック設計図

2021.01.30

2019年式以降のEFIモデルはオイルパン・ストレーナーの改善や燃調の制御がうまくいっているのかあまりオーバーヒートしたという話は聞きません。
燃費がキャブモデルの1/2ぐらいになっていますから相当リーンな燃調だと思うのですが不思議ですね...。

と、いうわけでオイルクーラーなぞ付けなくても安心して走れるように進化している様子ですが、いまさら自作したオイルブロックの設計図(3DCADデータ)を公開します。

ちなみに市販の汎用オイルブロックは30~40mmぐらいの厚みがありますが、それを使ってもフロントフェンダー(というかマッドフラップ)に干渉することはまずありません、ぶっちゃけ作るより買った方が早いですw

自作するメリットとしては...

・薄い(20mm厚)
・配管の取り回しがしやすい(90度の位相を持たせてある)
・自己満足に浸れる

などです。

なお、フィッティングは次の部品を想定しています。

・RunMax アダプター ストレートネジ AN6オス M12XP1.25オス R991945 x2
・Oリング ISO C 0630 G x1
・M20xP1.5の適当なオイルフィルター

AN6アダプタを介してオイルクーラーと接続する想定ですが、M12xP1.25のタケノコを付けてホースバンドで繋ぐのも良いかと。

ダウンロードは↓から

オイルブロックT20 Fusion360形式(f3d)

DIYのお約束、データの使用は自己責任でお願いします。
Fusion360のライセンス上、商売に使っちゃダメよん。

-----------------------------------------------------
2020/02/24追記
早速作ってくれた方がいるようです^^

ギアオイル

2020.12.18

12月4日にウラルジャパンより発行された「ウラルニュースレター」で、純正ギアオイルの変更がアナウンスされました。


↑ ウラルニュースレター12月4日号より抜粋

メーカー・銘柄の指定(Motul)は大人の事情として、簡単に言えばギアボックスに使っていた「エンジンオイル」を「ギアオイル」に変更しますよってことですね...

2013年式の我が車両もギアボックスにエンジンオイルと同じオイルを入れろとマニュアルに記載されていました。
2013年式のマニュアルより抜粋↓

なぜエンジンとギアの潤滑が独立した構造なのに同じオイルを入れるのか甚だ疑問に思いながら当初はマニュアルと同粘度の自動車用オイルで運用していたのですが、油温が上がると極端にギアの入りが悪くなり困惑したものです。

ウラルはギアボックスが独立しており乾式クラッチであるため、比較的安価な「自動車用」エンジンオイルが使えるのがメリットです、ところがマニュアル記載の20w-50合成油とはおそらく「二輪車用」エンジンオイルを指していたのではないでしょうか?
二輪車用のエンジンオイルはギアに配慮した極圧剤などが添加されていますからギアボックスに使用することも出来るのでしょう。

(Motul指定になってから二輪車用オイルを意図していることが明らかになりましたが、当時のマニュアルにはそれを判断する情報は無く自動車用エンジンオイルをギアに使っていたのでした、そりゃギアの入りは悪いわな。)

せっかくエンジンとギアボックスの潤滑が分離しているにも関わらずメーカーがギアオイルを指定しないのには何らかの理由があるのではないかとも考えました。

古い設計の自動車にはギアの軸受けなどの摺動部分に真鍮を使っている場合があります。
このような車両に硫黄などの極圧剤が入ったグレードの高いオイルを使うと真鍮が侵され車両の不具合を招く場合があるとされています。
しかし現行のウラルに関しては真鍮部品は使われていない様子なので極圧剤による部品の腐食を気にする必要はなさそうです。
もし心配ならGL-3・4・5に対応したマルチグレードを使えば腐食性は低いグレードに合わせてあるので安心。

と、いうことでマニュアルの記載を無視してギアボックスにはカストロールのギアオイル「Universal 80W-90」を入れてみたところとても具合が良く、以前よりギアが入りやすいし油温が上がっても操作性が変わることはありませんでした。

以来、5年以上ギアボックスにはギアオイルを入れて問題なく運用できていますので今回のニュースレターで提示された「ギヤボックスにはギアオイル!」には今更感しかないのですが、メーカーのお墨付きと言うことで安心できるのかな? ....と。


現在使用しているギアオイルはイエローハットブランドのMAGMAX GEAR OIL 80w-90。
BPのOEMらしいので特に問題なく使えてます。

せっかくエンジンとギアボックスのオイルが独立しているのだから色々試してみたいですね!

ブーツ修理

2020.10.20

東日本一周往路のこと、ブーツのソールが剥がれ歩行やギアのシフト操作が困難になるトラブルが発生!
まさかウラル以外のものが壊れるとはw

長期旅行時には、ライディングブーツの他に観光用のトレッキングシューズと滞在地のチョイ出に使うクロックスの計三足は持って行くので窮する事はありませんでしたが、急遽ホームセンターに立ち寄り靴用接着剤で騙し騙し履いていました。

まぁ、ウラルとほぼ同時期に買った7年もののブーツですから寿命でしょう。

靴本体に問題は無く、ソール部分の摩耗と加水分解が原因なので帰宅後修理に出そうかと思いましたが、もともと2万円もしない安いブーツです。
新品を買う費用と靴屋で修理する費用はほぼ同じくらいだからなんだか馬鹿馬鹿しい、かといって新品を買うと革が慣れるまでが苦痛。
と、いうことでソールのはり替えをDIYでやってみることにしたのでした。


↑ まずは加水分解でボロボロになったミッドソールを剥がします。

ヘタった緩衝材も剥がして交換します。

5mm厚のネオプレンを使ってみました。

ミッドソールは元と同じ5mmの合成ゴムを使用。

接着剤で貼り合わせ後、ナイロン糸で手縫いしました。
片足4時間ぐらい掛かったのでこの作業は当面やりたくありませんw

アウトソールはVibramの#100をチョイス

元々のパターンとほぼ同じ上、削れやすいヒールだけの交換が可能です。

アウトソールとヒールを接着したらコバを削って完成です。

ソールと接着剤などの費用は5000円弱ぐらいでしょうか?
なじんだ本体を生かしつつ安価に修繕できたと自賛しています。
あと5年はイケるかな?

ウラルの鍵考察

2019.12.21

いまどき物理的なキーを捻ってエンジンを始動する車種はずいぶん減ってきましたが、キー紛失に備えてスペアを作るのはごく自然な考えです。

しかし、外車であるウラルはそこらのカギ屋ではベースキーが無く複製を断られることがほとんどであり、オリジナルのキーを大切に扱わなくてはなりません。

そこでどうにかして複製できないかと3Dプリンタを使った複製を考えました。

まずは手元にあったロシア(ウクライナ?)製キーシリンダーの解錠を試みます。

ノギスでサイズを測り3D CADで立体化します。

モデリングできたら3Dプリンタで出力...

ノギスで計測しているので、0.1mm程度の誤差はあるはずですが、果たして解錠なるのか?
(動画はTwitterよりご覧下さい)


・・・あっさり解錠出来ちゃいました。

まぁ、ロシア製キーシリンダは10台も集まれば数台は同じキーで解錠出来るくらいのものなので割と簡単にクリアできたものと信じたい...

本命は現行の新型シリンダーです。
こちらもノギスでちまちま計測して3Dモデルにしました。

すわ!


解錠!
こんなザルで良いのかと作った本人が困惑気味です。

まぁこれでカギを無くしても走行不能に陥る事態を防ぐことはできそうです。
プラスチック(PLA)のカギなら財布や免許証に忍ばせておけますからね!

ページ移動