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ギアオイル

2020.12.18

12月4日にウラルジャパンより発行された「ウラルニュースレター」で、純正ギアオイルの変更がアナウンスされました。


↑ ウラルニュースレター12月4日号より抜粋

メーカー・銘柄の指定(Motul)は大人の事情として、簡単に言えばギアボックスに使っていた「エンジンオイル」を「ギアオイル」に変更しますよってことですね...

2013年式の我が車両もギアボックスにエンジンオイルと同じオイルを入れろとマニュアルに記載されていました。
2013年式のマニュアルより抜粋↓

なぜエンジンとギアの潤滑が独立した構造なのに同じオイルを入れるのか甚だ疑問に思いながら当初はマニュアルと同粘度の自動車用オイルで運用していたのですが、油温が上がると極端にギアの入りが悪くなり困惑したものです。

ウラルはギアボックスが独立しており乾式クラッチであるため、比較的安価な「自動車用」エンジンオイルが使えるのがメリットです、ところがマニュアル記載の20w-50合成油とはおそらく「二輪車用」エンジンオイルを指していたのではないでしょうか?
二輪車用のエンジンオイルはギアに配慮した極圧剤などが添加されていますからギアボックスに使用することも出来るのでしょう。

(Motul指定になってから二輪車用オイルを意図していることが明らかになりましたが、当時のマニュアルにはそれを判断する情報は無く自動車用エンジンオイルをギアに使っていたのでした、そりゃギアの入りは悪いわな。)

せっかくエンジンとギアボックスの潤滑が分離しているにも関わらずメーカーがギアオイルを指定しないのには何らかの理由があるのではないかとも考えました。

古い設計の自動車にはギアの軸受けなどの摺動部分に真鍮を使っている場合があります。
このような車両に硫黄などの極圧剤が入ったグレードの高いオイルを使うと真鍮が侵され車両の不具合を招く場合があるとされています。
しかし現行のウラルに関しては真鍮部品は使われていない様子なので極圧剤による部品の腐食を気にする必要はなさそうです。
もし心配ならGL-3・4・5に対応したマルチグレードを使えば腐食性は低いグレードに合わせてあるので安心。

と、いうことでマニュアルの記載を無視してギアボックスにはカストロールのギアオイル「Universal 80W-90」を入れてみたところとても具合が良く、以前よりギアが入りやすいし油温が上がっても操作性が変わることはありませんでした。

以来、5年以上ギアボックスにはギアオイルを入れて問題なく運用できていますので今回のニュースレターで提示された「ギヤボックスにはギアオイル!」には今更感しかないのですが、メーカーのお墨付きと言うことで安心できるのかな? ....と。


現在使用しているギアオイルはイエローハットブランドのMAGMAX GEAR OIL 80w-90。
BPのOEMらしいので特に問題なく使えてます。

せっかくエンジンとギアボックスのオイルが独立しているのだから色々試してみたいですね!

ブーツ修理

2020.10.20

東日本一周往路のこと、ブーツのソールが剥がれ歩行やギアのシフト操作が困難になるトラブルが発生!
まさかウラル以外のものが壊れるとはw

長期旅行時には、ライディングブーツの他に観光用のトレッキングシューズと滞在地のチョイ出に使うクロックスの計三足は持って行くので窮する事はありませんでしたが、急遽ホームセンターに立ち寄り靴用接着剤で騙し騙し履いていました。

まぁ、ウラルとほぼ同時期に買った7年もののブーツですから寿命でしょう。

靴本体に問題は無く、ソール部分の摩耗と加水分解が原因なので帰宅後修理に出そうかと思いましたが、もともと2万円もしない安いブーツです。
新品を買う費用と靴屋で修理する費用はほぼ同じくらいだからなんだか馬鹿馬鹿しい、かといって新品を買うと革が慣れるまでが苦痛。
と、いうことでソールのはり替えをDIYでやってみることにしたのでした。


↑ まずは加水分解でボロボロになったミッドソールを剥がします。

ヘタった緩衝材も剥がして交換します。

5mm厚のネオプレンを使ってみました。

ミッドソールは元と同じ5mmの合成ゴムを使用。

接着剤で貼り合わせ後、ナイロン糸で手縫いしました。
片足4時間ぐらい掛かったのでこの作業は当面やりたくありませんw

アウトソールはVibramの#100をチョイス

元々のパターンとほぼ同じ上、削れやすいヒールだけの交換が可能です。

アウトソールとヒールを接着したらコバを削って完成です。

ソールと接着剤などの費用は5000円弱ぐらいでしょうか?
なじんだ本体を生かしつつ安価に修繕できたと自賛しています。
あと5年はイケるかな?

ウラルの鍵考察

2019.12.21

いまどき物理的なキーを捻ってエンジンを始動する車種はずいぶん減ってきましたが、キー紛失に備えてスペアを作るのはごく自然な考えです。

しかし、外車であるウラルはそこらのカギ屋ではベースキーが無く複製を断られることがほとんどであり、オリジナルのキーを大切に扱わなくてはなりません。

そこでどうにかして複製できないかと3Dプリンタを使った複製を考えました。

まずは手元にあったロシア(ウクライナ?)製キーシリンダーの解錠を試みます。

ノギスでサイズを測り3D CADで立体化します。

モデリングできたら3Dプリンタで出力...

ノギスで計測しているので、0.1mm程度の誤差はあるはずですが、果たして解錠なるのか?
(動画はTwitterよりご覧下さい)


・・・あっさり解錠出来ちゃいました。

まぁ、ロシア製キーシリンダは10台も集まれば数台は同じキーで解錠出来るくらいのものなので割と簡単にクリアできたものと信じたい...

本命は現行の新型シリンダーです。
こちらもノギスでちまちま計測して3Dモデルにしました。

すわ!


解錠!
こんなザルで良いのかと作った本人が困惑気味です。

まぁこれでカギを無くしても走行不能に陥る事態を防ぐことはできそうです。
プラスチック(PLA)のカギなら財布や免許証に忍ばせておけますからね!

ウラルの法的立場?

2019.04.27

鳥のSNSでウラルの高速道路上での法定最高速度は80km/hなのではないかという議論を目にしました。



そもそもウラルで80km/hを超える速度で巡航するのは苦痛でしかないので大した影響はないのですけどね、「運輸省における道路運送車両法上の取り扱いの変更は、道路交通法の解釈に変更を及ぼすものではない」というのがポイントみたい。いまは国土交通省ですけど。

法的な解釈は専門家でないので迂闊な事は言えませんが、三輪自動車として普通自動車免許で乗るのなら最高速度も三輪自動車と同じく80km/hと考えるのが妥当だろうということらしい。

と、なるとCTなど1輪駆動のモデルは100km/h、ギアアップなど2輪駆動のモデルは80km/hが高速道路の法定速度という奇妙な状態になってしまうのか?


ウラルを国内で販売するに当たり、輸入代理店やショップが並々ならぬ努力をして権利を勝ち取り今日があることは間違いありません。
その片鱗は政府の公開情報から垣間見ることが出来ます。
内閣府が公開している「OTO 市場開放問題苦情処理体制」にある
二輪自動車の基本構造を有する三輪自動車の分類の法令による明確化
これは輸入車の検査項目に関する緩和を訴える苦情。
ウラルには不要(計測不能)な検査項目をどうにかしてくれという内容。

ロシア製二輪駆動側車付二輪自動車の適用区分の明確化」 H12.7.11
ウラルは三輪の普通自動車なのか側車付きの自動二輪車なのか明確にせよという苦情。
これに応答して警察庁は H12.8.18「三輪の自動車の道路交通法上の取扱いについて」という通達を出しています。
またこれと同時に「三輪の自動車の道路交通法上の取扱いに関する判別方法等について」と題する非公開の事務連絡が発行されており「デフギアの構造」「ウラルスポーツマントリフ」の写真「トライク」の写真と添付資料を3つ使って通達の内容をより詳しく解説しています。
それを要約すると、
・「自動車検査証では道路交通法上の取り扱いの判別は出来ない」

・「側車側シャフトを切り離した場合に後輪が駆動しなくなる構造のギアを有している自動車は、側車を部分を外すと運転することが出来なくなるため道路交通法上は普通自動車として取り扱われる」

・「前輪と後輪が一直線上になく、大きくオフセットしている自動車は側車部分を外すと直進できないため道路交通法上では普通自動車として取り扱われる」

というのが判別方法とのこと。

・・・う~ん、お察し。
この件に深入りするとパートタイム二駆モデルは高速法定100km/hを得られる代わりに、大切な何かを失うことになりそうな予感。

D608 その後 2300km

2019.04.13

D608に交換して2300km経過しました。
現在の後輪の状態はこんな感じです。

画像だと今ひとつ伝わりませんが、ウェアインジケータ部の残り3mmぐらいです。

そろそろスペアタイヤとローテーションしても良いかな~?という頃合いになってきました。
前輪と側車輪についてはまだまだ余裕があります。


ところで、いまさら恐ろしいことに気づいてしまったのですが...

事の顛末は側車輪がスローパンクしたところから始まります。
スローパンクの性質から当初はバルブ回りの不具合かと思っていたのですが、フタを開けてみれば(タイヤを外してみれば)トレッド面にわりかし判りやすい穴が空いておりました。

とりあえずパッチを当てて補修。

パンクの原因はチューブにシワがよっていたため摩擦でゴムが削れ穴が空いたものと推測。
画像でもシワがよっていたと思わしき痕が確認できます。

タイヤやチューブの交換なんて12~19インチまで数十本の経験がありますからこんな凡ミスをするとは到底思えません。

んで、タイヤサイズを変えたにも関わらず、チューブを流用したことに原因があるのではないかと考えました。

調べると4.00-19のタイヤと90/100-19のタイヤではチューブサイズが違うことが判明!
他の車輪も同様の状態になっている可能性が高くすみやかにチューブを交換したほうが良さそうです。

ダンロップでいうと...
4.00-19   → 3.25:4.10*110/80*100/90-19 TR4 135267
90/100-19 → 3.00 90/100 90/90-19 TR4 134455
となります。

東京モーターサイクルショウ2019

2019.03.24

一昨年から連続して参加している東京モーターサイクルショウに行ってきました、もちろん目当てはウラルブースです。


昨年と同じく4コマの枠を確保しており、二駆のギアアップ、一駆のCTの他、アジアンラリーに参加した車両が展示されています。

来客の反応も上々で本車に跨がり船に乗っては皆ニコニコしています。

気になるのは2019モデルの変更点。
見えるところだけですがじっくり観察してきました。

デザインが変更されたヘッドカバー

オイル滲みやスタッドの舐めに対策して4点留めになったものと考えられます。
個人的にはヘッドのカバーの形状は車両の特徴を決める大きな要素ですから大幅には変えて欲しくありませんでした。
正直ドニエプルみたいですw

日本製スロットルボデー

2014~2018モデルのインジェクションはアメリカ製と言われていますがついに日本製(KEIHIN)になりました。
従来は決められたマップに従ってただ燃料を吹くだけのものでしたが、ついにセンサー情報をフィードバックするタイプになりました。
ISC(アイドリングスピードコントロール)も付いてエンストしにくいインジェクションシステムになっています。
(いまどき原付でもやってることですけどね。)

共通化されたハブ

アダプタとディスクを付け替えることですべての車輪に対してスペアタイヤが使えます。
一手間掛けなくてはいけないぶん、全輪ドラムのモデルに比べると面倒くさくはありますが、前輪のトラブルに打つ手が無い2007~2013モデルからしてみれば羨ましい限りです。

その他、シリンダーやピストンなど見えないところも大幅に改善されているようです。

ウラルジャパンのブラド社長に伺ったところ、「今までとは別物!」という感想みたい。
機会があったら乗ってみたいですね。

ドライビングポジション

2019.03.09

ウラルの走行動画を見ていると、やたらオーバーアクションで体重移動しているドライバーが気になりました。

頑張ってる感は出ているのですが、実際のところ本車側ドライバーの体重移動がどれほどの効果を持つのか調べてみる事に...

まずはどうやって計測するか。
これは側車輪に掛かる重量を計測すれば体重移動による変化が観察できそうです。
しかし、側車に掛かるであろう200kg程度を計測できる秤がありません。
最初は体重計を流用しようと考えましたが、ホールド機能とかオートオフ機能が邪魔で連続した重量変化を計測するのには使えないのです。

結局、新しく200kgまで量れる台秤を購入。
滅多に使わない計器をまた増やしてしまいましたw

計測の際、秤と同じ厚みの板を本車前後輪に噛まして平地と同じ条件で計測できるようにします。

側車輪に秤をセットしてカメラで重量変化を記録!

こんな結果となりました。

標準状態 118.5kg (ドライバー重量 67kg)

側車側
・肩入れ  127.1kg (+8.6kg 12.8%)

・尻ずらし 134.3kg (+15.8kg 23.5%)

本車側
・肩入れ   110.2kg (-8.3kg 12.3%)

・尻ずらし  104.2kg (-14.3kg 21.3%)

括弧内パーセント表示はドライバー重量比なので自分の体重を掛ければどの程度加重を掛けられるかわかります。

結果としましては、70kg程度の体重では大きくアクションしたところで側車加重を1割強変化するにとどまり、120kgを簡単に持ち上げる遠心力に対しては微々たる効果となりました。

実際の走行においては色々な力のベクトルが働き、停止時と重心位置が大きく異なるでしょうからあくまでも参考まで。

体重移動を過信すると限界を超えたときに痛い目を見そうです。

オマケ
究極形態「側車飛び乗り」145.0kg (+26.5kg 39.5%)

実際問題ピンチのとき咄嗟に側車に飛び乗るのはムリだけどw

検証動画

タイヤチェーン

2018.12.24

タイヤチェーン義務化のニュースが世間をざわつかせるこの頃。
実際には国道や自動車専用道の指定箇所(13カ所)に限った話であり、自分の住まう地域と行動範囲から考えると、ほぼ無関係であろうという内容でした。

とはいえウラル乗りたるもの2WDを活用して雪道を走りたいという気持ちもあります。
せっかくタイヤ幅の狭いD608を履いているのですから、ミズノのタイヤチェーンが装着出来ないか試してみます。

タイヤと同じ90/100-19サイズのチェーンを発注。
2週間ほどで到着しました ↓

箱から出すとこんな感じです。

製品の質感はなかなか良いですね!
とても丁寧に作られている感じがします。

とりあえずスペアタイヤに装着して後輪と換装してみました。
ドライブシャフトに接触すること無くとても良好な装着感です。

駆動輪ではないのであまり意味は無いですが、ためしにフロントにも付けてみました。

こちらもトルクロッドに干渉する事無く良好です

側車輪は試すまでもないでしょう。

90/100-19サイズのタイヤであればタイヤチェーンを安全に装着出来る事が実証できました。

関東の都市部で雪が積もる事なんか滅多にありませんから、当面はお飾りなのですけど...

D608 その後 1300km

2018.12.09

激安ブロックタイヤD608を履いてから1300kmほど走行しました。

ここいらで途中経過をば。


・耐久性
やはり柔らかめのブロックタイヤであるため、摩耗はとても早いです。
実測値でいうと・・・
新品:6.0mm
後輪:4.0mm
前輪:4.7mm
側輪:5.4mm
(ウェアインジケータ部の溝の深さ)
今後タイヤの接地面が増えるにつれ、摩耗速度は緩やかになっていくと考えられますが、単純計算では3,900kmほどで寿命が尽きることになります。
しかし、側車輪の摩耗は極めて少ないため、後輪とローテーションする事によって5,000km弱、さらにスペアも合わせれば9,000km弱は持つ計算になります。
HF-308の実売価格の2/3程度の値段であることを考えると、コストパフォーマンスは若干良いといったところでしょうか?

・乗り味
ロードインデックスの低いタイヤであるため、高めの空気圧が必要となります。
最低でも200kPa以上入れておかないとタイヤ記載の耐荷重を満たせませんから、自ずと乗り心地は悪くなります。
通常走行では後輪250kPa・前輪/側車輪200kPaに設定しています。

右カーブ(側車側カーブ)では若干の腰砕け感が感じられ、左カーブではフロントのアンダーが出やすいです。
すぐに慣れる程度の差ではありますがHF-308よりも慎重に走るべきです。

・ルックス
タイヤが細く若干小径になるため見た目のインパクトには欠けます。
タイヤパターンも今ひとつなので格好良いと思うかは意見が分かれそうです。

・安全性
普通車に追従して走るような一般的な運転であれば、高速道路や峠道でも特に不安はありません。
しかしフロント用タイヤをリアに履かせるメーカー非推奨な組み合わせになりますので、その辺の判断は自己責任で...

2019モデル考察

2018.11.08

毎年微妙に仕様を変え進化を続けるURALですが、2019年モデルはインジェクション化してから最もビックなマイナーチェンジとなる様子です。
既存のオーナーとしては、何が良くなりそれが自分の車両に流用できるのか?という事に関心が注がれます。

現時点でURALのサイトで確認できる変更点は次の通りです。
※画像はhttps://www.imz-ural.com/2019-ural/ より拝借

シリンダー

・高精度のホーニングにより高温時にリングとの整合性を改善。
・シリンダーボアの見直しによりより早く良いあたりが付き、オイル保持が改善されシリンダー寿命延長。
・冷却フィンの表面積を増加し、冷却効率向上。

シリンダーヘッド

・冷却フィンの表面積が増加し、冷却効率が向上。
・排気ポートを短くしてシリンダーヘッドの温度を低下。
・吸気ポートと排気ポートの形状を最適化し,ガスの流れを最適化。
・シリンダーヘッドカバーのデザインを変更。

ピストン

・NASA388 (アルミニウム/シリカ合金)を重力鍛造し、優れた耐熱性を備えたピストン。
・スカートにテフロン加工を施しフリクションを低減。
・硬質アルマイトされたクラウンとトップリング溝により、高温寿命が向上。
・リン酸マンガン化成皮膜処理された圧縮リング。
・トップリング表面にモリブデンをプラズマ溶射し耐久性が向上。
・ピストンリング溝の公差を最適化
・ピストンピンをリン酸塩皮膜処理

オイル循環システム

・オイル吸入口の設計改善
・地上高を犠牲にする事なく油量が最大になるようオイルサンプを設計、油量2.6L

フューエルインジェクションシステム

・KEIHINのスロットルボディを使用した新しいEFIシステム
・始動性と安定したアイドリングのための電子アイドリング速度制御
・スロットルポジションセンサによるスロットルレスポンス改善
・インジェクターの位置を効率向上のため最適化
・クローズドループEFI制御による燃費の効率化
・燃圧を増加し燃料の霧化を促進
・フィルタと圧力弁が一体化されたタンク組み込みポンプ
・パワーを犠牲にする事なく汚染を低減する高効率触媒

ホイール

・3つの車輪(およびスペア)全てが同じハブを使用するようになり完全に交換可能、新しいベンダーによって供給されたリムは異なるアルミニウム合金で作られており、優れた強度と仕上げ。

以上がWebサイトに公開された情報です。
新型EFIシステムとエンジンの熱問題を改善するアップデートがメインの様子です。
渋滞しがちな日本の都市部でもオーバーヒートの問題が常につきまといますが、世界中でウラルを拡販するに従い無視できなくなってきたのでしょうね。

・シリンダー、ヘッド、ピストンの流用は可能か?
エンジンケースの変更は無さそうですから、取り付けること自体は出来ると考えられます。
しかし、ヘッド内部の機構も変更されている可能性があるため、プッシュロッド等を含めて大幅な変更が必要かもしれません。
また、吸気口と排気口の形状次第によっては、キャブレターと接続するインシュレーターが取り付けできなかったり、エアクリーナーと接続するブランチパイプやエキパイの接続ができない恐れもあります。
この辺りがクリアされれば、キャブ車の改修に期待が持てるのですが...
パーツリストの部番から類推するか、実車を確認しての情報待ちになりそうです。

外観面ではヘッドカバーが4点ネジ止めになりデザインが変更されています、センターボルト舐めやオイル滲み対策の改善と考えられますが、ヘッドカバーの形状は車両の特徴を表す記号的な部位でもありますから、個人的には従来のウラルらしさが失われて少し残念な気もします。

・オイル循環システムについて
オイルパンの形状変更による大容量化、ストレーナーの形状変更がされている様子です。
従来もオプションで大容量オイルパン(3L)が用意されていましたが、かなり下方に突出するため路面とのクリアランスが少なくなります。
特に林道などで轍にそって走るとオイルパンを打ち付けるリスクが高かったものですから、標準パンとほぼ同じサイズで2.6Lまで容量を増やした新型のオイルパンはとても良さそうです。
従来のオイルポンプはオイルパンに溜まったオイルの表面からオイルを吸い込む仕様であり、大容量パンにしてもエンジンを巡って高温になった表層のオイルを吸い込む始末、ケース表面で冷やされたオイルは吸わないのです。
そのためオイルの温度が暖まるまでの時間を若干遅延させる程度の効果しか無いといわれていましたが、オイルポンプのストレーナー変更で油温の低い底面からオイルを吸い上げる仕様になるようです。
この辺りの部品は従来モデルにもそのまま流用できるのではないかと期待しています。

・EFIシステムについて
ケイヒンのスロットルボディを採用してやっと本格的なインジェクションシステムになっています。
従来のインジェクションモデルは、幾つかのセンサーとマップにそって燃料を吹く簡易的なものでしたが、TPSやISCを搭載し、センサーの情報を元にフィードバック制御を行う様子です。
燃料タンク一体型の燃ポンと燃圧レギュレーターを備える本格派!
とはいえ、いまどき原付クラスでもそれぐらいのシステムが付いているモデルはありますから今更?といった感じがしないわけでもありません。
従来のシステムより信頼性が上がったことは間違い無さそうです。

・ホイールについて
従来と同じくブレーキディスクの交換は必要でしょうが、ハブの形状が共通になった様子です。
従来モデルは一時期的に使用する事が前提の文字通りスペアでしたから、交換したホイールが常用できるとなればメンテナンス性も向上し、タイヤローテーションもしやすくなることでしょう。
このあたりは前輪にスペアを使用できない後輪ドラムブレーキモデルのユーザーからすると羨ましいです。
また、亀裂が発生しやすかった従来のアルミリムから製造業者を変え、信頼性の高いリムになるとのこと。
自分の車両も4輪中3輪のリムで微細な亀裂が発生し、交換していますから、新しいリムで改善されれば喜ばしい事です。

とりあえず、オイルパンとオイルポンプの交換を検討してみようかなぁと思います。

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