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ブレーキディスク換装

2016.08.08

イタリアから注文していた部品が到着しました。

有言実行といえば聞こえは良いですが、言い出しっぺの法則ということで、先日話題にしたブレーキディスクです。
日本の輸入代理店に在庫が無かったので、BRAKING社の所在国から直接輸入したのでした。

↑ BRAKING SK2シリーズ
FJ1200やXJR400の一部に使われているWK015Rを使います。
ダブルディスク車の右側ディスクです。

↑ 取り外した純正ディスクとBRAKINGのディスク

最近、ペタルディスクはジャダーが出やすいとか、パッドの減りが早いとかネガティブな面が指摘され、敬遠される方向にある様子ですが、なんといってもカッコイイ!
もはや性能向上が目的では無く、ディスクを交換することが目的になっちゃってます、手段が目的となる悪例ですね。

言い訳するとすれば純正ディスクのインナーローターが鉄製であるのに対し、BRAKINGのディスクはジュラルミンですから軽量化の恩恵があったり無かったりするかも?

さっそく装着!

調べたとおりピッタリです、無加工ポン付け状態。


↑ あらかじめキャリパーを清掃しておきます。
このキャリパーも理論的には4パッドタイプのブレンボと無加工で交換出来るはずです。 え?やりませんよ?

一番の懸念がキャリパーのセンターが出るかどうかです。
純正のディスクが4mm厚でオフセットが9.5mm、WK015Rは5mm厚の10mmオフセットです。
ディスクのセンターは純正とまったく同じになりますが、ディスクの厚み分、左右に0.5mmずつはみ出す計算になります。
しかも車両の個体差でしょうか、純正状態でキャリパーセンターが出ておらず、ディスクが若干内側に寄っているようです。

ポン付けしても辛うじてキャリパーボディに接触しないのですが、構造上キャリパーサポートの剛性が低く、よじれた時に接触する恐れがあるため、1~1.5mmほどキャリパーを内側に寄せた方が良さそうです。

↑ キャリパーとサポートの間にシムを入れて調整しました。
あらかじめ何種類かシムを用意して現物合わせするのが良いかと。

↑ なんとなくキャリパーセンターが出ました。
ウラルのディスクブレーキはドラムブレーキから無理矢理ディスク化した感が否めず、キャリパーの回転方向を無視していたり、突っ込みどころがいくつかあります。
キャリパーサポートが2ピース構造になっているのも、変化に対応できるように汎用性を持たせているのかもしれませんね。
おかげで内側にも外側にもシムだけで調整できます。

↑ 新品ディスクには新品パッドを使用します。
敢えてシンタードにせず、RKのセミメタルをチョイスしました。


もくろみ通りブレーキディスク換装成功!
まだ当たりがついていないので、効きは極端に悪いですw

ロシアデビュー?

2016.07.25

一週間ほど前のことになりますが、4月に受けたロシアTV局の取材が配信されました。

放送の日時はあらかじめ知らされていたので、ネットのライブ配信をリアルタイムに視聴しようとパソコンの前で正座待機。
モスクワ時間 PM11時=日本時間 AM5時ということで、今にも寝落ちしそうな状態で放映時間を迎えるも、一向に始まる気配がありません。
そう、ニースで起きたトラックを使ったテロのため特別編成になっており、通常の番組は流れていないのでした。
結局、1時間視聴してさらに2時間録画しても日本のサイドカー野郎が放送されることはありません・・・。
ロシアも日常的にテロの脅威に晒されていますから仕方ないですね、タイミングが悪かった。


ん?ところで冒頭で「配信されました」って言ってなかったっけ?
そう、そのまま没になることはなかったのです!
番組のホームページで動画が配信されYouTubeでも視聴可能になりました。

↑ 配信された動画
Международное обозрение(国際レビュー)という番組の終盤、日本のカルチャーとして紹介されているみたい。

私自身は身体の一部がちらりと映っているだけでしたが、愛車は数回映っていました。

закат империи(夕日の帝国)


出演、手。
記者を自分のサイドカーに乗せていたので走行シーンはありません。


マシンはバッチリ映ってるね!
ロシア国旗気に入ってくれました?

と、いう感じでロシアデビューを微妙に果たしたのでした。

ブレーキディスク考察

2016.07.20

先日の事。
某SNSのタイムラインにイギリスのウラル愛好家から投稿があり、フロントディスクブレーキの他車種流用について言及がありました。
自分も少し気になったので調べてみることに。

近年のウラルは良い部品をどんどん取り入れていますから、スイッチやレバーなどの操作系はイタリア製、キャブやオルタネーターは日本製を使うなどロシア生産にこだわらず多国籍化しています。
ブレーキディスクもご多分に漏れず、スペインNG BRAKE DISC社の製品が採用されています。

まずはNG BRAKE DISC社の素性を調べます、ご丁寧にインナーローターにURLがレーザー刻印されており、すぐに該当製品を突き止めることが出来ました。


適合表を見るとウラルのフロントディスクはヤマハの古いマシンと互換がある様子です。

念のため知り得た情報が正確であるか検証するため、実測することにしました。


ディスク直径 298mm


インサイドホール 63.9mm


PCD 80mm


ディスク厚み 3.8mm


オフセット 約9.4mm

ほぼカタログ値と同じ計測結果を得ることが出来ました。

と、いうことはbrakingのウェーブディスクやArashiの中華激安ディスクも使えることになりますね!
NG BRAKE DISC社のディスクはとても品質が良いので、敢えて社外パーツにする必要は全くありませんが、選択肢が増えるのは良いことです。

経過観察

2016.07.10

消耗品を買いにナップス横浜まで行ってきました。

30℃を超える暑さの中、慢性的な渋滞が続く都市部はウラルにも乗車する人にも過酷な環境です。

こまめにエンジンを切り、シリンダーと油温の上昇を抑える努力と、オイルクーラーが少なからず効いているためか帰宅時の油温は100℃強でした。

エンジンをメインキーで切るとウィンカーやブレーキランプまで消えてしまうので少々危険な上、元々精度の悪いロシア製キースイッチを酷使することになり耐久性が不安でしたが、先日組み込んだディマー回路のおかげで保安灯火を生かしたままキルスイッチでエンジンを停止できるようになったので安心です。

そしてヘッドカバーからのオイル漏れは解消した様子で、液体ガスケットで封止したのがうまく効いたみたい。
いまのところオイル滲みは一切無く、ドライな状態になっています。

やったね!

電装改良?計画 完成!

2016.06.26

開発したヘッドライトディマーをウラルに実装しました!
約ひと月ほど電子工作ブログになってしまいましたね・・・

作成した基板は、SDカードとほぼ同じサイズです。
タカチのケースに入れてシリコンでコーキングしました。

最初の構想ではメーターカウルの中に基板を収める予定でしたが、思いのほか小さく作れたのでセミシールドのライトユニットの中に組み込めてしまいました。

ライトユニットの中のポジション球は日本ではほぼ意味をなさないため廃止します。(車検には必要)
その配線をディマーユニットの電源にすることで、ライトユニットからの配線はエンジン稼働検出とニュートラル検出の2線だけで済む上、タイコの4極コネクターもそのまま使えるので実に都合が良いです。
しかも全面が金属で覆われているため、電磁ノイズの遮蔽もバッチリなはず。
心配なのはH4バルブの熱でライトユニットの温度が上がりマイコンが暴走する可能性があることでしょうか?

と、いうことでライトユニットへ組み込んだ状態で動作テストをします。

メカニカルリレーをマイコンで制御してテストパターンを実行しました。
数時間の動作でライトユニットの内部温度は50~60℃ぐらいになるものの、ディマーユニットはエラーを起こすこと無く動作を続けています。
実車では走行風による冷却と接合部からの熱伝導があるはずですから、そこまで温度が上がることは無いだろうと楽観。
これで準備は整いました!


それでは実車に実装します。

ライトユニットに基板を組み込めたので接続はとてもシンプルです。
まずはエンジン稼働検出線をオルタネータのL端子に繋がる配線に接続します。
チャージランプの緑線(2013モデルの場合)から分岐させるのが簡単です。
次にニュートラルの検出線をニュートラルランプの灰線に接続します。
最後にタイコの4極コネクターを普通に接続して、ライトユニットを車体に取りつけたら完成!

後は机上の理論通り動作する事を願うだけ。
無事想定通りの動作をしました。
あとは機器の安全性が担保できるまでしばらく様子を見ます。

車検時など、減光すると困る場合が考えられるため、ギアポジションをニュートラル以外に入れた状態でメインキーをオンにすると常時点灯モードになるギミックも仕込んであります。

おもらしふたたび

2016.06.25

スタッドボルトの不具合を修正してから1週間、買い物にでも出かけようとカバーをめくると・・・


うはぁ、まだ漏れてるじゃん!

月極で借りているガレージを汚すと肩身が狭いのです。
3年目にしてロシア車の洗礼を受けまくるとは。

今回のお漏らし場所はヘッドカバーのガスケットです。
先週修正したスタッドボルトは問題なく施工されているようで、ヘッドとシリンダーの間からの漏れは皆無でした。
ヘリサート加工すると元のねじ穴より強度が上がるという説もあるようですから、きっとうまくいったのでしょう。

1週間に数滴程度の漏れですが、放っておくわけにもいきません。
再度ヘッドカバーを開けて液体ガスケットを使用します。
次にカバーを開けたとき、液体ガスケットを剥がすのが面倒くさいので出来れば使いたくないのですが仕方ありません。

開けたついでにスタッドの状態も確認します。
緩みは無く問題なし!

なぜ分厚いガスケットが使われているにも関わらずお漏らしするのか?
ありていに言うと「ロシアクオリティ」だからでしょうか?

↑ ヘッドカバーの当たり面を見ると加工痕が残っています。
ヘアラインなんて謙虚なものではなく、爪が研げそうなレベル。
普段日本製のバイクばかりいじっていますからこの雑さ加減はある意味新鮮です。
これでも昔より良くなったと言われてますから、昔はいったいどんなものだったのでしょうか?

少々耐熱性が心配ですが3Mの1215を極薄く塗ってカバーをそっと閉じました。
来週漏れてなければ良いなぁ。

電装改良?計画5

2016.06.21

少しずつ進めているアレの開発もいよいよ大詰めです。

まずは出来上がったプログラムをマイコンに書き込んで、実際の部品と回路で正しく動作するか確認します。
↓ マイコンにプログラムを書き込む様子。

ブレッドボードに書き込み済みのマイコンと付随する回路を配置してスイッチオン!

一応、見た目上は正しく動いているようです。
しかし、マイコンは数メガヘルツで動作していますから、人間の目では捉えられない現象が起きている可能性があります、オシロスコープで観測して瞬間的なエラーも見逃さないようにします。
かなりの大電力を扱いますからここは慎重に!

PWMによる減光動作がしっかり観測できました。
電源投入時にほんの一瞬だけポートがオンになるバグを見つけたので修正。
これでプログラムに問題は無さそうです。

プログラムをSOPサイズのマイコンに書き込んで、基板に実装しました。

ペットボトルのフタとほぼ同じぐらいのサイズです。

ウラルに載せる前に完成した基板を使って耐久性チェックを行います。
実際と同じ負荷をかけて、6時間ぐらい問題なく動けば信頼性も担保できるかと?

ハイパワーLEDの評価

2016.06.19

最近、自動車のヘッドランプに純正採用されているハイパワーLEDとはどんなものか試してみます!

とは言っても予算の都合上中華製。
ヘッドライトに組み込むと車検が怪しい上に現在開発中のアレが使えなくなるので、側車に鎮座しているサーチライトの電球をハイパワーLEDに置き換えます。

用意したのはH1のリボンタイプ。

空冷ファンを搭載したLEDバルブよりもコンパクトに設置出来るのが売りの製品です。
LEDの位置はH1バルブの発光点と合わせてありますが、電球と違って面が光る仕組みですから、どのような配光になるか気になります。


H1のソケットにそのまま取り付けできました。
ヒートリボンをなるべく展開して放熱面積を稼ぐようにします。


↑ LEDのコントローラもサーチライトの中に組み込む事が出来ました。
既存の配線を利用して全くの無加工で装着完了です!

日が暮れるのを待って点灯実験をします。
55w H1 ハロゲン ↓

20w H1 LED ↓

どちらも同じ条件( F1.8 1/15s )で撮影。
LEDの方が少し明るいようです、上下方向にムラが出ているのが残念。
しかしながら、消費電流は他の光源より圧倒的に少ないです。
ハロゲン → 4.6A
HID → 最大8A → 安定3.4A
LED → 1.6A
ハロゲンの約1/3の電力で、より明るいということになります。

レンズに刻まれているГАЛОГЕН(ハロゲン)の文字列をСИД(LED)に書き換えたい感じですね。

根治?

2016.06.18

謎のナット緩みが発覚した左シリンダーの様子を見てもらうため、いつもお世話になっている芝崎モータースへ行ってきました。

異常か正常か判断するためには多くの事例とノウハウのあるショップに任せるのが一番です。
素人療法で悪化させたら目も当てられませんからね。


結論から言うと、ナットの単純な緩みではなくケース側スタッドねじ穴の損傷が原因でした。
想定していた悪い方の原因が現実になるとは...
ナットが緩んだという表現は正確ではなく、スタッドが抜けてきたというのが正しそうです。

残念ながら、シリンダーを外してねじ穴を補修するというヘビーな作業内容となりました。

↑ 損傷が発覚したスタッドボルト穴

なぜケース側のネジ穴が痛んだのか正確な原因は分かりませんが、おそらく部品製造時の工程で加工ミスがあったか、組み立て時に工員が作業ミスをしたか、どちらかの可能性が高いと考えられます。
長年ウラルを扱っているショップでも初の事例だそうです。
保証期間が過ぎているので自費での修理となるのが少し悔しい。
もう少し早く発覚していれば!

修理の内容はヘリサートでねじ穴を復活させスタッドを打ち直す作業です。
実際には部品の取り外しや洗浄など、付随する作業の方に多くの時間が割かれ、さらに私が余計なおしゃべりを挟んで邪魔するので、さぞ作業しづらかった事でしょう。

↑ スタッド打ち直し完了の図
エンジン分解整備の時もスタッドまで外すことは滅多にありませんから接着剤を併用してしっかり固定してもらいました。

シリンダー、ヘッドを組み付けてスタッドのナットを締め込むと無事規定トルクで締結出来た様子です。

直って良かった良かった!

電装改良?計画4

2016.06.14

ヘッドライトコントロールモジュール(仮)の開発を少しずつ進めています。
設計した回路を実装基板にするためには、使用する部品を選定しておく必要があります。
部品によってサイズが違ったり配線を変えなくてはいけない場合もあるので、カタログスペックを見て適当な部品をチョイスし、実際の使用に耐えられるかテストして選定します。

↑ スイッチングの要、パワーMOS-FETの実験中
55/60wのH4バルブを放熱器無しで駆動できる目処が立ちました。

前回の基板設計を少し手直ししてマスクパターンを作成したら感光基板に焼き付けます。

なにぶん2005年に使用期限が切れた10年物の感光基板を使ったため歩留まりが悪く、15面割り付けたうち満足に使用できそうなのは3面だけでした。
むしろ使える物が作れただけ奇跡かもしれません。

あとはエッチングして不要な銅箔を剥がしたら基板は完成です。

↑ 完成した基板と使用したマスク

あとは部品を載せるだけ。
ピンセットで部品をつまみながら少しずつ部品をハンダ付けしていきます。

この後、マイコンの物理的な動作試験を行ってから基板に実装して試作1号機を完成させます。
実車に取りつけるまでにはもう少し掛かりそうです。

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