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自作ピックアップロータ-取り付け

2014.09.28

とりあえずA5052で削り出してみたものの、ホールセンサーに反応しないのではないかという疑念がぬぐえません。
センサーの仕様を調べて確証を得ることにしました。

ホールセンサーに刻印された型番からHoneyWell社の1AVシリーズであることが判りました、Webで部品のデータシートを検索します。
結果、危惧していた通りの仕様でした・・・。
以下データシートから抜粋。
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The vane is a low carbon cold rolled steel,
type AISI, 1018 or lower in carbon content.
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低炭素冷間圧延鋼板でAISI規格1018(JISだとS17Cが近いか?)以下の炭素含有率を推奨しているようです。
やはり磁性体でないとダメか・・・。

結局作り直しが必要ですね、プレス加工された鋼板なら低炭素の軟鋼でしょうからセンサーの要求する条件を満たしそうです。
身の回りをあさったところ、良さそうな素材を発見しました。

↑ 2.5インチハードディスクの3.5インチ変換マウンターです。
以前HDDをSSDに換装した際、SSDの付属品に含まれていた物ですが捨てずに良かったです。
メッキがしてありサビにも幾分強そうですし、素材としてぴったりでしょう。

んで、さっくりミーリング。

↑ 上手に切れました~!
実際にはアルミより切削条件が厳しいので40分ぐらい掛かってます・・・。

さっそくウラルの純正ピックアップローターと交換します。
いや、このセンサーの場合インタラプトローターといった方が正確かも。

↑ みごとぴったり収まりました。

これでローターを固定するボルトを雑に締緩してもタイミングがズレる心配はありません。
単純にホールセンサのベースプレートだけ調整すれば良くなり点火時期の調整が非常に楽になりました。
実際セルを回すとセンサーはしっかり反応し、エンジンの始動にも問題ありません。

本来メーカーがこういう仕様で作るべきだと思うのですけどね。

ピックアップローターの製作

2014.09.24

実測したデータを元にCADで設計したピックアップロータを製作してみました。
虎の子のCNCを使って削り出す事にします。

まずはCADのデータを元にCAMで切削パスを作成。

卓上フライス盤にパソコンを接続して切削パスを読み込ませます。
んで、おもむろにプログラムスタート!

20分ほどでミーリングが完了しました。
そこそこうまく削れたかな?

↑ ワークをフライスに固定しやすくするため、数カ所母材と接続した部分を残しています。

母材から切り離してバリを取ったら完成です。

ところで何も考えずにアルミ合金(A5052)で作ったけど、非磁性の金属にもセンサーは反応するのだろうか?

誘導型の近接センサなら大丈夫だと思うけど、なにぶんウラルなので(点火機構はDUCATI製だけど)予想の斜め上を行きそうな気がしています。
このピックアップロータが磁力線を遮断するための物だとすると、非磁性の金属だと反応しない可能性が高いです。

磁性のある金属で作り直さないとダメかも。

点火タイミングチェック

2014.09.21

フロントカバーを交換した際、ピックアップセンサーとピックアップローターを外しましたが、やはり若干タイミングがズレた様子です。
アイドリングが若干上がり、極まれにですがアフターファイアが発生しているみたい。

2013モデルの点火タイミング機構は、ホールセンサとピックアップローターの非常にシンプルな構成です。

通常は2本のビスを緩めてホールセンサの座金の位置を移動することで点火タイミングを調整出来ますが、ピックアップローターを外すと少々面倒くさいことになります。

今時のバイクはフライホイールの突起やピックアップローターを使ってクランク位置を検出していますが、角度のズレが生じないようにキー溝などで決まった位置でしか組み付け出来ない仕組みになっています。
ところが、ウラルのピックアップローターにはキー溝の類いはありません。

↑ 一応、カムシャフトには面取がしてあって位置決め出来る構造にはなっていますが、ピックアップローター側はただの丸い穴です。

ローターとシャフトにマーキングしても固定するネジを締め付ける段階でズレちゃうことがあるのです。
しかもカラーを噛ますからどれだけズレたのか確認できない・・・。

適切な点火タイミングから10度ぐらいズレたとしてもエンジンは掛かってしまうのですけど、回転数によってノッキングしたり場合によってはエンジンに損傷を与える可能性もありますから注意が必要です。

んで、念のため点火タイミングをチェックしました。

右側側面のゴム栓を外すとタイミングマークを確認できます。
オレンジ色に着色した「・→」がタイミングマーク。
ただの「→」がTDCマークです。
資料によって様々なのですが、800~1000rpmの時にタイミングマークが窓の中央に設定するのが良いようです。
800rpmでBTDC 2°というのも見かけるので、概ねTDCマークとタイミングマークの間が窓の中央に見える状態であれば、OKだと思います。

結果、若干遅角側にズレている様子。
ホールセンサーの台座をずらして調整しました。

さて、ピックアップローターが供回りしないようにこんなアイテムを開発中です。

カムシャフトの面取と合う角度を計測するのがキモですね、うまくいくかな?

*2012/12/24 用語修正

フロントカバー組み付け

2014.09.13

三連休突入!先日入手したフロントカバー(Front Cover Conversion Kit for up to 2013 )を組み付ける絶好の機会です。

以下、作業手順の覚え書きです。
なお、お約束ですがこの記事を元にトラブル等発生してもすべて自己責任でお願いします。
エンジンおよび電装の改造はメーカーの保証も無くなりますのでご注意ください。

交換するエンジン前縁の部分。

まずはデストリビューター(この表現が適切かわからん)のカバーを外します。

2本のボルトで留まっているだけです。


ホールセンサーを外します。

ホールセンサーは点火タイミングを決める重要な部品です。
位置がずれるとエンジンに重大な損傷を与える可能性があるので取り外し前に位置をマーキングしておきます。
ホールセンサ自体はシールカラーの固定を兼ねた2本の+ネジで留まっています。


ローターを外します。

ローターはカムシャフトに位置決めされておらず、ネジを緩めるとフリーになりますので注意が必要です。
カムシャフトとの位置関係をずらさないようにローターを押さえているカラーを外し、ローターとシャフトにマーキングしておきます。
カムシャフトの面取りに合わせることぐらい出来ただろうと設計者に激しく問いたい...


シールカラーとガスケットを外します。

残りの+ネジ2本で留まっているだけです。


フロントカバーに組み付けられたパーツをすべて外しました。


いよいよフロントカバーを外します。

プライポイントが無いので厄介ですが、10本のボルトを抜いた後、ゴムハンマーを使ってフロントカバー全体に打撃を与えるとそのうち浮いてきます。


外したフロントカバーとブリーザー


ここまで来れば折り返し地点!
逆の手順で新しいフロントカバーを組み付けていきます。


古いガスケットを除去します。

オイル漏れや滲みを起こす原因になるので接合面はきれいにして脱脂しておきます。


ガスケットの組み付け。

エンジンケースの接合面に極薄く液体ガスケットを塗布してペーパーガスケットを定着させます。


ブリーザーのノックピン位置を確認。

フロントカバーを組み付ける前に、ブリーザーの切り欠きとカムシャフトギアのノックピン位置を合わせておきます。
ブリーザーとフロントカバーの接触面にはエンジンオイルで溶いたモリブデングリースを塗布しました。


フロントカバーの組み付け

10本のボルトで仮止めした後、対角線状にボルトを本締めします。
間違えることはないと思いますが、一本だけボルトの長さが違うので注意です。
エンジンにはあまり使われない皿キャップなのであまり強く締めない方が良いと思われます。


ペーパーガスケット、シールカラーを取り付け。

シールカラーのオイルシールはあらかじめ新品に交換しておきます。


ローターの取り付け。

取り外しの際に付けたマーキングに合わせてローターを取り付けます。


ホールセンサーの取り付け。

取り外しの際に付けたマーキングに合わせてホールセンサーを取り付けます。


デスビカバー、オイルフィルターの取り付け

デスビカバーは3本のキャップボルトとバネ座金で固定します。
ホールセンサのケーブルを挟まないようにカバーの切り欠きを通すように気をつけます。
オイルフィルターは付属のWIX製では無く、手持ちの大型の物を取り付けてみました。
愛車パジェロと同じフィルターです。


完成!

エンジン前縁がずいぶんスッキリしました。
50回くらいキックスターターを作動させてエンジンオイルを送り込んでからエンジンを始動します。
しばらくアイドリングで様子を見てオイル漏れがないか確認。

点火タイミングがずれている可能性があるため、タイミングライトで確認し、必要があれば調整します。


スピンオンフィルターの取り付け目的は、保守性の向上も一つの理由ですが、最終的にはオイルブロックを取り付けオイルクーラーを取り付けたいと思っています。

でも、もう寒くなる季節なんだよなぁ。

PS キットに含まれる5mmのスプリングワッシャは何処に使うんだろ?余っちゃったw

もうひとつのアイテム

2014.09.11

フロントカバーと同時にHigh Output CnC Oil Pumpなるものを注文しました。

オイルポンプを強化するもので、純正の2倍以上の出力があるらしい。
写っている本体以外にオイルパンとオイルポンプのガスケットが付属しているのがありがたいですね。
作業する上で必ず必要になる消耗部品ですから。


開けてみるとインボリュートギアを使った外接式のオイルポンプでした。
今時のオイルポンプの多くは内接トロコイド式なので新鮮です。

確かにオイルポンプのギアは相当大きなものになっています。

単純に2倍以上の高さがあるギアが使われているようです。

本来オイルポンプは設計の段階でエンジンの特製にあわせた容量のものが付けられるのであって、安易に容量を増やせば性能が上がるとか、安心であるといったものではありません。
場合によってはオイル漏れを起こしたり、潤滑のバランスが崩れる原因になる可能性もありますからね。

特にウラルの場合、大部分が飛沫潤滑に頼っているようなので効果の程は未知数です。

部品到着!

2014.09.11

仕事から帰宅すると、オレゴンの某ショップから小包が届いていました。

かねてから注文していたパーツが到着した様子です。
エンジンのパーツをUSPSで送ると関税が掛けられる確率が高いので参ります。
郵送自体も遅いし・・・。
経験上、少々送料が高くてもEMSやUPSを使った方が安心ですね。

鼻息を荒くしながらパッケージオープン!

おそらく日本初入荷であろう「フロントカバーコンバージョンキット」なのでした。
このキットはエンジンのフロントカバーを変更して、スピンオンカートリッジ式のオイルフィルターを取り付けられるようにするものです。
2014年式のDFIウラルにも採用されている方式ですが、エンジン自体の性能を上げるものでは無く、オイルフィルター交換の手軽さを重視した機能パーツになっています。
スピンオン式のオイルフィルターなら、そこらのホームセンターでも入手することができますからね!
私がスピンオン式にする理由は他に計画があり、また別の機会に紹介できるかと。

フロントカバーをまじまじと観察・・・。

見た感じの加工精度は良くバリなどもほとんどありません。
海外のURALファンサイトでプロトタイプの写真を見たことがありますが、それよりもさらに改良されているみたいです。


カバー底面には謎な盲栓が存在しています、海外のファンサイトでは、さらなるアップグレードパーツが出るのではないかと噂されています。(実際にはただの加工穴だったようですw)


↑ デストリビューターカバー
アルミダイキャスト製でウラルのロゴマークが刻まれています、かっこイイ!


オイルフィルターは最近主流のコンパクトタイプです。
海外では有名なWIXの51358が付属していました、ロットによって違う場合もあるようです。
フロントカバーのフィルター座面はかなり大きめに作られていますので、ガスケット径70mmぐらいのフィルターも余裕で付けられそうです。
座面の腐食を考えると、ガスケット径が大きめのフィルターを付けておいた方が良いような気もしますね。
M20xP1.5のネジ径で流量30 L/m程度、バイパスバルブの作動圧が8~12 psi付近のオイルフィルターを選べばまず問題ないと考えられます。

このほかにもガスケットやオイルシール、ネジ一式がキットに含まれていますが説明書の類いは一切ありません。
果たしてうまく取り付けられるのでしょうか?

ウラルの実用性?

2014.09.06

今でこそ趣味性の高い乗り物と思われているサイドカーですが、その昔は側車なしのバイクを単車と言うくらいサイドカーは一般的な乗り物でした。
自動車社会となった今でもその利便性は失われていないと考えております。

ご近所のスーパーマーケットにウラルでお買い物♪
ちなみにロシア語でもスーパーマーケット(Супермаркет)で通じます、道ばたの売店はキオスク(Киоск)お店という意味ではマガジーン(Магазин)ですね。

原付スクーターと自転車の駐輪場が別にあるためバイクの駐輪場はいつもスカスカです。
おかげさまで特に文句を言われることなく手軽に駐めることが出来ます。

スーパーで買った食材や生活用品はトランクにドーン!

多少大きな荷物だって船に投げ込めば大抵の物は運べます。

まぁ自動車の方が天候に左右されず居住性が高いのは間違いないですけど・・・。
バイクよりは買い物向きの乗り物と言えるかもしれません。
なにより運転して楽しいですからね!

便利アイテムの作成

2014.08.24

近所のホームセンターで木材を買ってきました。
50mm角の集成材とラワンの薄板で500円ほどです。

30cmぐらいに切って組み合わせます。

接合面にラワンの薄板を貼り片側を斜めにカットしたら便利グッズの完成です!

制作時間は小一時間といったところでしょうか。
本当は2x4材があれば加工の必要なんてほとんど無かったんですけどね。
残念ながら近所の中途半端なホームセンターには置いてありませんでした。
郊外の大規模なコメリとかビバホームが羨ましいです。

さて、どう使うかと言うと、こう使います。

↑ 後輪を乗り上げさせてからセンタースタンドを下ろすと・・・


↑ 一人でも簡単にセンタースタンドを掛けることができます。

渾身の力を込めても一人でセンタースタンドを掛けるのは困難ですから、こんなちょっとしたアイテムで楽に掛けられると今までの苦労がウソのようです。

軽量なラワンと集成材を使用しているのでジャッキと供に箱の中に装備すれば出先でのトラブルにも対応しやすくなりますね!

まぁ、こちらのYoutube動画のパクリなんですけど。

ぜひこちらもご覧あれ!

自主運用ETC

2014.08.18


サイドカーでの実績が乏しく情報の少ない自主運用ETC。
あまり多くは語りませんが、今回のツーリングでも一度もトラブル無く利用できました。

以下覚書。
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鳴門IC IN
鳴門北IC OUT IN
鳴門本線下りTG
水島IC OUT IN
早島本線下りTG
米子IC OUT
舞鶴東IC IN
丸岡IC OUT
金津IC IN
金沢東IC OUT
平湯TG
松本IC IN
大月IC OUT
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今回のツーリング以外では
横浜町田IC IN OUT
厚木IC IN OUT
平塚TG IN OUT
小田原TG IN OUT
六ツ川TG IN OUT
横須賀IC OUT IN
衣笠IC OUT
日の出IC OUT
高尾山IC OUT IN
茅ヶ崎中央TG
茅ヶ崎TG
浜松西IC OUT
伊勢IC IN
大紀本線TB
南紀田辺IC IN
泉佐野TB
南芦屋浜TB
高石TB
港北IC IN
保土ケ谷TG
新保土ヶ谷TG
狩場TG
大井本線TG
習志野本線TG
潮来IC OUT
佐原IC IN
圏央厚木IC IN
都留IC OUT
御殿場IC IN
茅ヶ崎海岸IC IN
相模原IC OUT
相模湖IC IN OUT
松本IC OUT
富山IC IN
福岡本線TG OUT IN
飛騨清見IC OUT

も実績有り。

重整備と3回目オイル交換

2014.08.17

1300kmのロングツーリングを無事に終えたウラルを労って、整備を行います。

なにせ豪雨の走行やオーバーヒートなどかなりシビアなコンディションで走らせましたからね。

まずはスタンドと馬を掛けリアと側車を浮かしてタイヤを外し、ブレーキ周りの清掃と調整、シャフトやジョイントのグリスアップを行いました。

雨で巻き上げられた泥水はエキパイやマフラーで焼き付いて落とすのが困難です、いっそのこと黒にでも塗ってしまおうかなぁ。

今回のツーリングでは油温を2回も140度まで上げてしまったので、劣化したであろうオイルも交換しておきます。
前回の交換から1500kmは走ってますから良いタイミングでしょう。

まずはエンジンオイルから。

ある程度の距離を走っているものの、短い期間であったためかまだオイルに透明感が残っていますね、鉄粉の付着はだいぶ少なくなりました。

続いてギアオイル。

オイルはほとんど劣化しておらず、新品と大差ありません。
鉄粉は前回と同等か少し多いくらい出ています。

最後にファイナルドライブ。

う~ん、ドレンを外す度に鉄粉モサモサです。
いずれファイナルドライブのギア無くなっちゃうんじゃないの?
磁石に付いた鉄粉はかなり細かい粒子になっており、ウェスで拭うとクリームのような感じになっています。
特に異音とか違和感はないのでこれで正常なのだと思いますが、何か対策を打ちたいところです。


リアタイヤがだいぶ減ってきたので、スペアタイヤとローテーションすることにしました、走行距離は約4000km。

一回も使わずにオブジェとして劣化させるのは勿体ないですからね。
このペースの減り方なら6000~7000kmは持ちそうな気がします。

唯一の不具合として本車リア側のウィンカーが不点灯なのを発見しましたが、LED球が切れたわけではなく、単に接触不良を起こしていただけでした。
板バネの接点を曲げてテンションを高めて修理完了!
いずれ同じ現象を起こす可能性が高いので、国産のソケットに変えた方が良いかもしれません。

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