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シリンダーヘッド温度計(序)

2020.03.27

最近トラブルもなくネタがありません。
月刊から季刊「にぱにま~ゆ」になってしまいそうですw

と、いうことで困ったときの電装補強!
しばらく電子工作ネタで参ります...

お題はシリンダーヘッド温度計(以下CHT)。
海外では航空機用のCHTを流用したものが売られていたりしますが、華氏表示だったり微妙にサイズが大きかったりあまり使い勝手が良くなさそうです、KOSOなどのデジタルメーターは200℃程度までしか計れないし、なんといってもウラルにはアナログメーターだろう!と。

そこで「ぼくが考えたせかいいちつおいCHT」を作ってみたいと思います。

満たしたいスペックは
・外径50mmのサイズに収める
・アナログ指針
・250度位まで計れるようにする
・夜間でも安心

指針の駆動はマイクロサーボを使用し、arduinoなどのマイコンで制御、測温センサーは白金測温抵抗体(PT100)を使用、ケースや指針などの構造体は3Dプリンターで作ることとします。

ザックリとしたイメージはこんな感じです↑

果たしてうまくいくのか? 乞う御期待!

中華LED交換

2020.02.22

信号で停車中、ふと後ろを振り返るとブレーキランプが不規則に点滅していることに気付きました。

バッテリー保護のため、購入当初から灯火系はLEDに交換しているのですが、日本のメーカは後付けLEDバルブに積極的ではなく自ずと中華製を使っておりました。

取り外して調べると素子の1つが不規則に点滅しています↓

どうやら熱で半導体がダメになった様子。

壊れたLEDバルブがどのような構造なのか分解して調べてみました。

制限抵抗でLEDに流れる電流を調整する方式ではないかと安易に考えていましたが、意外にもLEDドライバICを使用している事が判明。
しかしながらLEDドライバの先は並列に接続されているため、素子の個体差により電流にバラツキが起き特定の素子に負荷が掛かる残念な設計です。

日本のメーカーがウェッジ球以上のLEDバルブをあまり製品化しないのは熱などによるLED素子の信頼性を担保できないためではないかと推測しています。
その点、中華製は「使えればええやん」精神ですから壊れても変えればイイじゃん?ぐらいの感覚で使うのが良いのかなぁ、と。

んで交換したLED球も中華ですw

本来ハロゲンや白熱球より長寿命なのが売りのLEDですが実際にはそれらより高頻度に交換する始末・・・
今度は長持ちしてちょうだいね!

クラッチスライダーOリング交換

2020.01.19

借りている駐車場の床にぽつりぽつりと油染みが!

どうやらクラッチレリーズ機構からわずかに漏れているようです。

パーツリストでは「クラッチリリーススライダー」とされる部品の「スライダーリング」という所謂Oリングがヘタっているものと推測。
もともとこの部位は漏れる頻度が高いのか、メーカー側でも手を変え品を変え対策に苦労している様子です。

簡単に調べたところ次のように変遷しています。
xxxx~2011 シングルOリング
2012~2016 ダブルOリング
2017~現在 シングルXリング

↑2013モデルはダブルリングタイプ

ウラルジャパンから取り寄せれば確実ではありますが、オイルシールなどの消耗品は汎用部品が使えると納期や金額の面で大変有利ですし、メーカーから部品の供給が止まった後にいつまで車両の維持が出来るかという大きな要素でもあります。

そこで今回は純正部品を使わず汎用部品での補修を検討してみました。

取り外したOリングはかなり変形しており、正確なサイズを計測するのはかなり困難です。

しかし、2016年まで部品番号が変わっておらず古くから同一サイズのOリングが使われている様子、ロシア製であればメトリックでしょうからインチのような中途半端な値ではないと推測し、そこからサイズを導き出しました。

このサイズは独自規格のようで、完全に一致する規格製品は残念ながらありませんでした。
全ての部品を工場内で一元生産するロシアの製品にはありがちな事ですから今更驚きはありませんが...

調べてみると航空宇宙規格として定められたAS568規格に最も近いサイズが存在することがわかりました。
・AS568-209 線径3.53 x 内径17.04 x 外形24.10
純正のOリングよりも0.1mmほど外形が大きいですが、Oリングの弾性を考慮すれば使えるのではないかと?
とは言え機械部品の0.1mmはかなり大きな差になりますから、動きが渋くなったり、そもそも装着できない可能性もあります。
実際に試してみるしか答えは出ないので、材質の違う同サイズを2種類取り寄せました。

ニトリルゴム系(NBR)とフッ素ゴム系(FKM)、見た目に違いはほとんどありません。

結果、ギアボックスケースへの挿入に難儀するもののフッ素ゴム系のOリングを取り付けることが出来ました。(ニトリルゴム系は固定用をチョイスしたためかゴムが固く取り付けを断念)
取り付けてしまえば動きはスムーズでクラッチ操作に影響が出るようなことはありません。

しばらくは正しくシールされオイル漏れが無いか確認し、問題なさそうであれば耐久性を検証します。


部品を図面化すると無意味にレンダリングしたくなるw

ウラルの鍵考察

2019.12.21

いまどき物理的なキーを捻ってエンジンを始動する車種はずいぶん減ってきましたが、キー紛失に備えてスペアを作るのはごく自然な考えです。

しかし、外車であるウラルはそこらのカギ屋ではベースキーが無く複製を断られることがほとんどであり、オリジナルのキーを大切に扱わなくてはなりません。

そこでどうにかして複製できないかと3Dプリンタを使った複製を考えました。

まずは手元にあったロシア(ウクライナ?)製キーシリンダーの解錠を試みます。

ノギスでサイズを測り3D CADで立体化します。

モデリングできたら3Dプリンタで出力...

ノギスで計測しているので、0.1mm程度の誤差はあるはずですが、果たして解錠なるのか?
(動画はTwitterよりご覧下さい)


・・・あっさり解錠出来ちゃいました。

まぁ、ロシア製キーシリンダは10台も集まれば数台は同じキーで解錠出来るくらいのものなので割と簡単にクリアできたものと信じたい...

本命は現行の新型シリンダーです。
こちらもノギスでちまちま計測して3Dモデルにしました。

すわ!


解錠!
こんなザルで良いのかと作った本人が困惑気味です。

まぁこれでカギを無くしても走行不能に陥る事態を防ぐことはできそうです。
プラスチック(PLA)のカギなら財布や免許証に忍ばせておけますからね!

D608の寿命と結論

2019.12.13

ロシアライド前にスペアタイヤとローテンションしたD608のウェアインジケータがついに露出!

中間予想の6,000kmにはやや及ばず、5,468kmでの交換となりました。

検証のためにギリギリまで使い込みましたから、元々のタイヤパターンが想像できないほどです。
実際手に持ってみると新品と比べて明らかに軽いし...

前輪と側車輪についてはまだまだ余裕があり、
前 輪 →10,000km
側車輪 →15,000km
ぐらいは行けそうな感じです。

純正のDUROに比べると幅が狭くサイドウォールが柔らかいため交換直後は少々心配な気もしましたが、検証の結果「国産で入手性が良く安価なタイヤ」として問題なく使えるという結論に至りました。

URAL乗りの諸兄におかれましては選択肢の1つとして有用な情報になるのではないかと?

シートカバー作成

2019.11.11

ウラルに初めから付いているコーデュラナイロンを使ったファブリックのシートカバーは座り心地は良いものの、紫外線の影響か数年で色が落ちてしまいます。

もともとは黒色ですが色落ちして紫色になり最終的には白になってしまうのです。

すでにトノカバーは合皮に交換して色落ち問題は解消していますが、シートカバーは尻の下で光に当たりにくいためか退色は若干遅く後回しにしていたのよね。

そろそろ気になってきたので交換することにします。

ウラルのトラクターシートは長年変わらないデザインであるため、純正品以外にもえebayなどでオリジナルのものをいくつか見つけることができます。
しかしそれらは安いとは言えず、純正のカバーに至ってはトラクターシートassyとほぼ変わらない値段がします。(最近値下げしたみたい?)

それならばということで自分で作ってみることを画策しました。

まずは素材探しです。
amazonで車体色に近いオリーブ色の合皮を発見、メーター770円ととってもリーズナブルで失敗してもさほど困らないものを選びました。

つぎに採寸。
基本は元々着いていたカバーをコピーしますが、針金を使って採寸して基準となる型紙を作ります。
気に入らなかったらコレを改良していけば良いわけです。

裁断と縫い付け
普通の布と違ってかなり厚みがあるのでレザー専用ミシン針と30番の糸を使って縫っていきます。

家庭用ミシンでも意外と縫えるものですね

固定用のヒモを通すハトメなどを付けて完成!

手直ししたいところはいくつかあれど、実用には困らない部分なので次に作り直すときに反映させれば良いかな?

純正のファブリック素材より若干滑るものの、一般的なバイクのシートとほぼ変わらないレベルなので問題なし!

ひとつ400円程度と考えれば良いのではないでしょうか?

オイルパン近代化改修

2019.10.20

今年の2月下旬に注文した2019年モデルのオイルパンがやっと到着しました。

さっそく届いた部品を検証します。

2019オイルパン

重量1240g
容量1330cc (1g 1cc換算)
高さ57mm

純正OPディープパン

重量1410g
容量1530cc (1g 1cc換算)
高さ82mm

25mmコンパクトになり200ccオイルが少なくなります。
これを高さ1mmあたりの容量に換算すると
2019パン 23.3cc
ディープパン 18.6cc
と、なりますから形状の改善によりうまく容量を稼いでいるようです。

エンジンケース自体は基本的に従来のモデルから変わっていないため、2019パンを取り付けできるのは確定しているのですが、オイルポンプとストレーナーの流用が出来るか組み合わせの可否を調べます。
エンジンケースが変わっていない以上、オイルポンプの取り付けネジ穴やオイル流路の位置も従来と同じであると判断できます。
パーツリストで従来モデルとの違いを調べるとポンプ内部のギアは従来モデルと同じ部品番号であるため、2019モデルのオイルポンプは従来のモデルと同じ構造・性能でハウジングやカバーの外形が違うだけなのではないかと推測できました。
性能強化は見込めないので2019モデルのポンプAssyは入手せず、従来のポンプに新型ストレーナーを取り付ける方向で良さそうです。
ネジ穴と流路の位置が同じである以上、ストレーナーの流用も可能なはずですからね!

さて、自分の車両はオイルクーラー装着の際、社外品の大容量オイルポンプに交換しています。

外接ギアが純正の2倍はあるため、ハウジングの高さが異なっているとストレーナーがオイルパンに当たって取り付けできない恐れがあります。

あらかじめオイルポンプ取り付け座面からカバーまでの厚みを計測して、純正より厚ければ新型ストレーナーの使用は見送ります。
ノーマルポンプ↓

大容量ポンプ↓

どちらも39.2mmでオイルポンプの厚みに違いはありません、これならば大容量オイルポンプでもオイルパンに干渉せず新型ストレーナーを付けられそうです。

大容量オイルポンプに新型ストレーナーを取り付け。

ストレーナーの取り付け穴が8mmなのに対しオイルポンプのネジ穴は5mmです。
2019モデルではブッシュを挿入して3mmの差を埋めているのですが、ブッシュ単体では部品が出ません。(オイルポンプAssyの付属品であるため)
適当な真鍮棒からブッシュを作り挿入してM5のボルトで締結しました。(写真は仮止めなのでスタッド&ナットでとめています)

新型ストレーナーを付けた大容量オイルポンプを実車に取り付けます。
Before

After

オイルポンプの取り付けねじは通常の六角ボルトを使うとストレーナーに干渉して回すことが出来ないため六角穴付きねじ(ヘックス)に変える必要がありました。

新型オイルパンを取り付けます。

2019モデルのガスケットはコルクとゴムの合成素材で出来ているため比較的柔らかくネジを締めすぎる恐れがあります。
とりあえず5N・mぐらいで緩く締めておき、後日増し締めするぐらいで良いのではないかと?

取り付け完了!

新型ストレーナーによりオイルパンの底の冷えたオイルを吸うことで冷却効率が高まるはずですが、その辺をしばらく走っただけでは体感できませんね...

あとはダート走行の際、オイルパンを打ち付ける可能性が若干減る事が期待されます。

以上、従来モデルにも新型オイルパンとストレーナーの流用は可能であるという結果をもって検証を終わります。

スローアウトベアリング交換

2019.09.21

先日のツーリング時のこと。
大分あたりでクラッチの切れが悪くなり、ワイヤーが伸びたのかなぁ?と思いながら走っていたのですが、広島あたりでクラッチレバーまで伝わる振動が出始めました。
それまでクラッチワイヤーの調整で騙し騙し走っていましたが、明らかに異常なので自宅までの長距離走行は危険と判断し、徳島からフェリーで帰宅するルートに変更したのでした。

帰宅後早速クラッチ付近を点検。
とりあえずタイヤすら外さずに作業できるクラッチレリーズを確認します。

クラッチアームを外してプッシュロッドを押すロッドチップAssyを取り出すとすぐに原因は判明しました。

スラストベアリングが破損しています。

ベアリングの保持器が破損して鋼球の配置バランスが狂った事によりクラッチレバーに伝わる振動と切れの悪さを発生させたのでしょう。

ウラルでは比較的良く発生するトラブルの1つで、ネットを調べるといくつも事例が出てきますし、お世話になっているショップでも聞いていたので予測の内でした。

破損したベアリングを交換するだけで簡単に直るのですが、現在のウラルに使用されているSKFのBA7は純正部品として注文すると$80近くする様子、なんと日本円で8000円以上!
ふたたび破損する可能性が高い部品に大金を支払うのはバカらしいので代替部品を考えてみました。

BA7は内径7mm 外径17mm 厚6mm というサイズです、これに類似するスラストベアリングを探せば良いわけです。
まったく同一のサイズであればF7-17Mという規格がAliexpressで1つ80円ほどで売られており、純正部品の1/100の価格で入手可能です。

しかし、高い荷重が掛かる部品にボールベアリングを使用している事が破損原因のひとつであるため、海外では針状ころ(ニードルベアリング)のスラストベアリングに換えてしまう人が多いようです。
その場合、純正ベアリングと同じサイズがないため、ロッドチップを若干加工する必要があります。

2013年モデルのロッドチップサイズは以下の通り。

試しに2種類のベアリングを入手して計測してみました。
AXK0619 内径6mm 外径19mm 厚2mm
2mm厚のワッシャをベアリングレースにすることで6mm厚になります

ハーレーダビッドソン#37312-75 スローアウトニードルベアリング
内径6.5mm 外径17.2mm 厚6.7mm 1000円強

ロッドチップのサイズに近いHDのスローアウトベアリングを使うと加工量が少なくて済み良さそうです。

ロッドチップのベアリング取り付け部を0.5mmほど減径し、ベアリングレースのワッシャも0.35mmずつ薄く削って組み付け時の厚みが6mmになるようにしました。

↑ スローアウトベアリング組付けの図

さっそく取り付けて操作感を試してみたところ、純正ベアリングとの差は感じられず問題ありません。

BA7の動的荷重が2.5kNなのに対してニードルベアリングは6.7kNほどあり2倍以上の強度から純正より長持ちすることが期待されますが、実際にどのような結果になるかは未知数なため要検証。

もし旋盤が使える環境であればAXK0619に合わせてロッドチップを自作するとコスパ良く改良することが出来そうですね!


追記:
スラストニードルベアリングは内側と外側の周長の違いにより常に滑っている状態であるため必ずしも耐久度が高いとは言えないかもしれません。

帰宅!

2019.08.31

ロシアライドから帰国後、2週間の延長戦を終えて無事に帰宅しました。
総走行距離4535km、いやよく走った!

ロシアライド3日目

2019.08.05

ほとんど揺れることなくフェリーは航行し、ロシアの陸地が見えてきました。

港には複数の軍艦と大きな吊り橋が見えます。

タグに押されて着岸しウラジオストクに到着!

ロシア入国5回目、ウラジオストクへは9年ぶりの再訪です。

バイクの受け取りには時間が掛かるため、本日は特に予定がありません。

まずは現地コーディネータのセルゲイさんと合流してホテルにチェックインします。
しばらく宿泊する「ルネッサンス」ホテルは住宅街の中にあり場所が分かりにくいものの、そのおかげで静かなホテルです。

到着するや駐車場を監視していたガードマンが出て来てウラルに興味津々、どうやらウクライナ出身の彼は幼少のころ父親の運転するサイドカーに乗っていてとても懐かしい様子。
スマホで写真を撮ると父親に送り早速電話をしていました、あなた仕事中でしょw

自分の部屋に荷物を置き、夕飯までの自由な時間で市街に繰り出しました。
2度目のウラジオストクであり、ある程度土地勘があるので他の日本人参加者を誘ってまずは「鷲の巣展望台」を目指します。

道すがら今ではウラジオストクを代表する建造物となった金角湾を横断する吊り橋「ゾロトイ・モスト」がよく見えます、前回来たときは建造開始直後で影も形もありませんでした。

鷲の巣展望台↓

吊り橋がとても良いアクセントになっていました。
以前と異なり中国人観光客ばかりです...

フニクリョールで丘を下ります。

太平洋艦隊軍事歴史博物館の敷地を散策、残念ながら休館中でした。

気を取り直してС-56博物館へ

潜水艦の内部を見学できます、ここも二度目の訪問です。

一度ホテルに戻り、スポーツ湾に面した遊園地近くの「グス・カラス(Гусь・Карась)」でロシア上陸を祝い宴となりました。

お酒は飲まないのでクワスで乾杯し、ロシア沿海州の料理を頂きました。
ホテル近くのスーパーでお菓子と飲料を買ってロシア1日目を終了です。

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